MryvE15360 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
原作を崩さずにより完成度を高めた成功例
とても雰囲気のあるアニメです。
まず、アニメーションと音楽がひたすら綺麗。
ジャケットからはあまり伝わらないですが、背景含めてアニメーションは放送時に話題になったほど美しさに定評があります。
音楽は作者がそれぞれにイメージ曲としてあげたクラッシック音楽をそのまま使っているだけあり、作風と内容への親和性がとても高く、本当に雰囲気がいい。
内容も下手に弄らずに小説原作の良さを生かして、より完成度を高めるよう編集がなされているのも好感が持てます。
一人称はもちろん、原作者が好む古風な言い回しと舞台設定をしっかり声優が演じているのもいいですね。
昭和作品のような古風な言い回しや難解な単語は、台詞が上滑りして見苦しく不自然になりがちですが、そんな風にはあまり感じませんでした。
とくに主人公の声優さんの演技力が凄いです。
淡々としたキャラでの難しい台詞回しが ちゃんと自然に聞こえます。
この部分だけでも一見の価値ありです。
ストーリーは、学校生活に隠された謎に挑む、「日常の謎」に分類されるミステリーのシリーズもの。
原作と比べ、ストーリーの一部と書き言葉→話し言葉の変化があります。
台詞については序盤の方が原作に近いですが、原作読む限り話し言葉への編集が必要な作品だと思うので私的には好印象です(『氷菓』のエピ前後の処理が1番好きですが)。
内容は、廃部寸前の古典部を舞台に「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーとする省エネ主義者の主人公兼探偵役の一人称で進みます。
最初の1~2話が登場人物の説明にあたり、間に1話完結を含みながら3話から表題作『氷菓』などの数話完結型のストーリーが入ります。
殺人事件のような起伏の富んだ事件はありませんが、日常の謎系ミステリーの醍醐味がたっぷり味わえます。
単に日常系アニメがお好きな方にもオススメです。
あと、個人的には無理に恋愛要素を入れたりしない所も好感が持てます。
絵柄から萌えアニメだと思って敬遠していたので嬉しい誤算でした。
ヒロインが多少萌えっぽいですが、それ以外は男女ともに変な要素がなくて良いです。
完成度が高く、久々に私的大ヒットでした。
1度視聴したらぜひ2度見をオススメしたいアニメです。