ありっさ さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 2.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
なんでこんなに評価が高いのか、、。
評価が高かったので結構期待して見てしまったのが間違いだった。
簡単に言うと、主人公の男の子の心の移り変わり(子どもの頃から大人になるまで)を恋愛の部分にクローズアップして作品にしたという感じ。恋愛にクローズアップした結果、恋愛以外の主人公の性格や内面を表現しきれておらず、こちらはなかなか感情移入ができなかった。
{netabare} 台詞の中で「主人公の心がわからない」という台詞があるが正直「それはこっちの台詞だ」と言いたくなった。 {/netabare}
伏線の回収も甘い気がするし、これいらなかったのでは?というシーンも多々あった。
きれいにまとめた演技じみた台詞と煮え切らない青春シーンよりも、何故そういう感情になったのかの理由や感情の移り変わりを描写してほしかった。観客が、いきなり第3話になってひどく人間じみた(普通の人間になった)主人公の感情を受け入れるには色々と不足している部分があると思う。その結果、ふわっとしたイメージで終わってしまい、なんだったのだろうという悶々とした気持ちが残る、個人的には後味の良くない終わり方だった。
物語自体にインパクトがあるというわけではないので、美しい作画や主人公たちの気持ちを代弁しているような音楽や歌詞がこの映画の持つ力の大部分を占めていると思うし、様々な足りない部分を補っていたと思う。(実際に作画は本当に素晴らしかった)
多くの人が持っている「初恋の感情や青春時代の淡い恋心を表現した、美しい過去を切り取った映画」という意味では良い映画だけれど、それなら第3話はいらなかったかなと。「人間」の持つ孤独感や未来への悶々とした不安、自身へ向けられる感情を描くという部分が決定的に欠けているため、あまり良い映画だとは思わなかった。