101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
深夜アニメ×美少女ゲーム…毒の交流♪
2001年、真下耕一監督らが〝解放区"深夜アニメにて
『NOIR―ノワール―』で美少女と銃を表現していた、少し前の世紀末…。
〝アンダーグラウンド"たるPC用18禁美少女ゲームでは、
虚淵玄氏とニトロプラスとその一味が、
エロと美少女さえあれば、あとは何を表現しても許されることをいいことに、
『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』という少年少女に暗殺稼業の業を背負わせる、
〝諸悪の根源"を産み落とし、エロゲー業界のカンブリア爆発を加速させていた…。
本作はその10年後、虚淵氏が深夜アニメに本格的に這い出て、
アニメの仕事に挑戦する過程で、一部脚本にも挑戦したアニメ化作品。
そんな虚淵氏をアニメ業界側も歓迎♪
黒田洋介氏や『NOIR―ノワール―』の真下耕一監督ら、
彼の毒の伝説を知る業界を代表する毒の伝道師がスタッフとしてお出迎え♪
さらにその『NOIR―ノワール―』でOPを担当した
ALI PROJECTも本作ED「地獄の門」にて腑(はらわた)を唾棄して
歓迎ムードを盛り上げました(笑)
特に黒田氏はノリノリで、アニメ版オリジナルストーリーも発案し、
{netabare} 深夜アニメにおける視聴者の奈落への突き落とし方を実演♪{/netabare}
さらに{netabare}第三話に最初の毒を盛って来る{/netabare}シリーズ構成術、
「ト書き一行一カット」の脚本術といった、
〝黒魔術"を伝授するなど、業界の毒の流儀を虚淵氏に伝道♪
本作で脚本も経験し、深夜アニメでも毒を噴霧する手応えを掴んだ虚淵氏は、
『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本・構成等に突き進んでいきました。
『Phantom』は虚淵氏が〝悪影響"を受けた数々の映画作品をオマージュしていることでも有名。
特に{netabare}リュック・ベッソン監督の『ニキータ』は第一章、同『レオン』は第二章、
ジョン・ウー監督の『狼/男たちの挽歌・最終章』は第三章と
三部構成の骨格となっており、事前に鑑賞しておくとより楽しめます。
ネタとして『タクシードライバー』や『夕陽のガンマン』も抑えておけば完璧♪{/netabare}
アニメを観て、これらの映画も観た上で、XBOX360版リメイク作もプレイしましたが、
『Phantom』は虚淵さんが映画等で受けた〝悪影響"を美少女を通じて、
次代に語り継ぎ、青少年の〝不健全"な成長に貢献しようとの
情熱を具現化した作品だと痛感します(笑)
アニメ設定資料集では虚淵、黒田、真下の三氏が対談にて、
『男たちの挽歌』等の映画ネタも絡めて盛り上がる様が、
黒くて大変楽しげ♪(笑)
というよりみなさんこれだけ映画に〝悪影響"受けたなら、
どなたか実写映画監督になっても良さそうなものですが、
ことごとく二次元世界に身を投じてしまうのが、
日本の表現界の現状を象徴しています(苦笑)
これが良い事なのか悪い事なのか…。
いずれにせよ、お陰様で、深夜アニメは今日も毒まみれですww