「蟲師(TVアニメ動画)」

総合得点
88.0
感想・評価
1966
棚に入れた
10548
ランキング
134
★★★★★ 4.1 (1966)
物語
4.3
作画
4.1
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

情熱が

1年くらい前にファミリー劇場で全26話視聴

地域に伝わる民話、伝承を描いたような作風の、和風ファンタジーアニメ。


まず、本作の製作者一同は、全員原作漫画「蟲師」の大ファンで「もし、蟲師がアニメ化されることになったら、絶対に俺達がアニメにする!」と意気込んでいたらしい。
そして製作者一同はその夢が叶い、蟲師をアニメにした。

そんな熱狂的な原作ファン達が作っているだけあって、「原作漫画完全再現」である。
「アニメ」にしたことによって生じる、漫画には無い、どうしても付けなければいけない部分(アニメーションとしての動き、色彩、音楽など)も全身全霊をかけて違和感の無い、ハイクオリティなものにしている。


では魅力を語っていこう


1話当たり、普通のテレビアニメの3倍の作画枚数をかけて作ったとされるアニメーション。

原作漫画でもアニメでも見て頂ければわかるが、蟲師にはダイナミックに動くアクションシーンなどはほぼ無い。
その作画枚数をかけて丁寧に描いたのは、 「江戸と明治の間にあるような架空の時代」の日本の
色づく山や揺れる稲穂、流れる川や空、といった世界観、風景であったり、
作品中に登場する「蟲」と呼ばれる昆虫とも微生物とも違う、しかしそういったものと似た性質の「生物の原初」となるものたちの、それこそ昆虫や微生物、細菌のような動きである。
(ちなみにだが、私が誰かに口で「蟲」の説明するときは「微生物の幽霊みたいなもん」て言うんだけど、これ正式な設定じゃないんで…)
人物のアニメーションもハイクオリティ、崩れない。

これらが、丁寧に繊細に動く。
ぜひ実際にご覧になって凄さを確認してほしい。


風景を彩る色彩も良い。
本作は2005年製作、放送である。
その頃、「原色ベタ塗り」な感じのデジタルペイントは、少なくなりつつあったが、「デジタルペイントを使いこなせている」と言うにはまだまだな時代。
そんな頃に、今現在でも十分通用する色鮮やかさで
本作品の草木、野山や空、水などは彩られている。
凄い。


音楽も良い。
木琴?などを使った自然音に近い劇中の音楽は蟲師の作風にベストマッチ。

ここまで日本的な作風なのにオープニング曲は洋楽

ただこれもオープニングアニメーションと相まってか、不思議と本作とマッチしたものになっている。

ちなみに、私自身英語苦手なんで聞いた話だが、歌詞は「蟲師」の作風 世界観とはどうも合ってないらしい。
ただ私個人的には、雰囲気的にマッチしているなら良いのでは、と思う。

毎回毎回違うという、珍しいこだわりを見せたエンディング曲。こちらも劇中の音楽同様良い。どの回の曲も静かで、エンディングらしい曲である。


作品の評価とは直接関係ない、私個人がネット上見て回った印象だけど
このアニメのファンって本当にアニメが好きで、かつ詳しいヤツが多いように感じる。
それはこの作品のファンが、この作品に込められたクリエーターの「情熱」を見て、感じたからだと思うんだ。

本当にアニメ詳しい奴は、いや、アニメだけに限らないと思う。
「創作」を本当に好きなヤツは、詳しくなっていくにつれて、作品に込められたクリエイターの「情熱」を評価できる、
そんな風になっていくんだと私は思う。


そんな情熱を込められた日本的な作品だからこそ、日本のみならず、アメリカのアニメファンの間でも高い評価を受けてるんだろうね、これは。


原作ファンのクリエイター達による、原作への愛と情熱に溢れた傑作、と私は評価する。


下手くそな文章、お読みいただきありがとうございます。

投稿 : 2015/05/19
閲覧 : 415
サンキュー:

19

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