STONE さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
中盤以降、見事に化けた
原作は未読。
フル3DCGであえて美少女キャラ主体の作品をやるというのも、なかなかのチャレンジだなと
思ってしまった。
実際、当初は人物画に違和感があったが、この辺は慣れてきたのか、次第に気にならなく
なった。作画自体も序盤と終盤では洗練されてきているような感もあったけど。
作品全体で印象的だったのは、霧の軍艦の人型インターフェイスであるメンタルモデルの
存在。
最近、美少女と兵器をモチーフにした作品がとみに増えてきている感があるが、
「ストライクウィッチーズ」や「艦隊これくしょん -艦これ-」のように兵器自体を擬人化した
場合、兵器のイメージを持つキャラの魅力は打ち出せても兵器そのものは登場しない。
「ガールズ&パンツァー」のようにキャラを兵器に搭乗させるとキャラと兵器の両方を登場
させることはできるが、複数キャラによって一つの兵器を運用させる場合、ロボットものの
ようにキャラ=兵器というイメージは出しにくい。
そういう点では多少強引な設定ではあるが、このメンタルモデルという存在はキャラと兵器の
両方を出しつつ、キャラ=兵器という一体感をうまいこと描いている。
過去作品だと「うぽって!!」が比較的近い印象だが、あの作品の設定はまあフワフワしていた
からなあ。。。
基本的には軍艦同士のバトルものといったところで、霧の軍艦は太平洋戦争時の軍艦の形状を
模したもの。
ただ武装などはかなり異なり、超重力砲を始めとする超兵器を搭載するなど、元々の軍艦に
較べてかなり盛っている。
当初はこの非現実的な戦いにちょっと醒めた感もあったが、現代の海軍ではミサイルや
航空機を使用したロングレンジ主体で、艦砲による砲撃戦などはまずないことを考えると
これぐらい盛った方がいいのかなと。
そして、戦闘自体の魅力は主人公サイドの艦がイ401という潜水艦であることが大きい。
アニメに限らず、既出の潜水艦ものは割と秀作が多いが、潜水艦による戦闘は戦闘時の迫力
だけでなく、海中にいることで艦の破壊がすぐ死に直結してしまうことに起因する緊張感を
併せ持つ作品が多い。
更に互いに見えない相手との戦闘ということでの探り合いや、それに伴う頭脳戦などが
堪能できる作品が多いが、本作でもこれらの要素を感じることができる。
序盤から中盤までは前述のような魅力の潜水艦バトルものという印象だったが、中盤以降に
メンタルモデルが感情を露わにしてから、俄然コメディ色が強くなり、個人的にはこの路線の
方が面白かったりした。まあ見事に化けたなあと。
この辺は単にコメディとしての面白さだけでなく、既出のロボットやアンドロイドが登場する
作品に見られる、感情を得たことによる喜び、悲しみ、葛藤、困惑などもうまいこと描かれて
いたように思える。
このメンタルモデル達が魅力的であった反面、人間キャラはかなり影が薄くなってしまった
感はあったけど。