ビアンキ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
2度おいしい傑作
2016年3月9日、ちょっとミスがあったので修正。
数年前、AT-Xで全話視聴。
まず、本作は初見では1~4話ぐらいまではそんなに面白くない。
実際私もAT-Xで放送されていた際に、先にネット上で評判を聞いており
2回ほど観てみようと思い
2回とも2話くらいまで見て視聴を断念している。
しかし3回目の視聴の際つまらないのを我慢して、
5話くらいまでみたら徐々に面白くなってきた。
現在本作を未見の方で、いずれ観たいと思っている方は5話くらいまでは我慢していただきたい。
本作は5話くらいから「どんなシナリオになるか」がようやっと見えて来て、
実際「シナリオが目に見えて動き出す」のはもっと先、12話くらいからとなる。
スロースタートな作品だが、だからといって
「第5話、あるいは第12話から見てみる」
といった馬鹿な真似はやめてくれ。
例えどれほどつまらないと感じても第1話から視聴して欲しい。
これにもちゃんとした理由がある。それは
本作が
{netabare} 第12話まで進んだ物語を、第13話から徐々に遡って修正していき、最終的に第1話時点の状態に戻す{/netabare}
話だから。
つまりつまらない第1話~第4話も
特にシナリオの終盤において非常に重要な、
「伏線そのもの」となっている。
もちろん第5話から第11話までも中盤以降の大事な伏線。
だから
「つまんないとこ飛ばして面白いとされる途中から見る」
なんてことは「絶対に!」しないように。
そんなことすると面白さ半減するぜ。
しかし全話見終わったあと、
後半の展開を知っている状態で再度1~11話を見ると面白いんだよね。
下手すると12話以降以上に。
2度おいしいアニメだと思う。ほんと
ただ気になるところもある。
さっきも言ったように
{netabare}12話まで進んだ物語を、13話以降遡っていく{/netabare}話な為、
シナリオ全体は綺麗にまとまっている一方で、非常にこぢんまりとした印象を与えるようになってしまっている。
もうひとつ、
中盤あたりで
「これはもう世界を巻き込むレベルの壮大なシナリオになるか!」
と思わせておいて
結局主人公の身の周りのキャラクターや、秋葉原という狭い世界で、本作のシナリオは完結してしまっている。
大風呂敷広げて「結局うまくまとめられない」よりはマシかもしれない。
いや遥かに良いだろう。
「これで十分満足、最高!」という方が沢山いることも分かっているつもりだ。
しかし、私個人はもっと壮大な話であって欲しかった。
そこがちょっと残念。
本作の主人公 岡部倫太郎は大学生にもなっていわゆる中二病である。
そのノリ、言動全てが痛い。
そんな主人公がシナリオが進み、物語を遡るにつれ、徐々に中二病の中に隠された本心を出し
ちょっと成長をみせる所も見所の一つだと思う。
最初は「この主人公…(^^;」と思っていた私も、最終回では 「成長したな、岡部」と上から目線ながら思った。
大躍進ではない。ほんのちょっとの成長。
それがこの作品らしく、この作品の主人公らしくていいかと思った。
少々惜しい面もあるにはあるが、非常に良く練りこまれたシナリオの傑作だと思います。
下手くそな文章、お読みいただきありがとうございます