「響け! ユーフォニアム(TVアニメ動画)」

総合得点
91.1
感想・評価
3140
棚に入れた
13944
ランキング
42
★★★★★ 4.2 (3140)
物語
4.1
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.3
キャラ
4.1

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ネタバレ

もふ(´-ω⊂゛) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

面白い面白くないではなく単純に良いアニメ さすがの京アニクオリティ

作画が本当に素晴らしい、
緻密な演奏シーンの作画から、息継ぎのタイミングまで正確に表現しています。演奏の上手さもリアルに上手くも下手でもない程度、さすが京アニだなと思いました。
駅や自然風景などの背景も細かい点まで書き込まれていてこれが毎週深夜枠の30分アニメのクオリティか?!というような質。映画じゃないのかと思うレベルです。

吹奏楽部のツッコミ待ちアニメかと思っていましたが、想像以上の出来栄えに元吹奏楽部の友人からも賞賛の声。
けいおん!風から脱したとはいえ、キャラデザは相変わらず可愛らしく、京アニ女子は健在です。

ここまでは大満足です。ものがたりの評価がかかる後半にも期待。

第8話感想
{netabare}やはり高坂さんと久美子のシーンが印象的でした。相変わらず作画が素晴らしかったのですが。
クールであまり感情を表にだなさい高坂さんが第8話で心中を久美子に告白、「当たり前に出来上がっている人の流れに抵抗したい」と発言。誰かと同じことで安心し出来上がっている友情・人間関係、社会に反発した考えを持っている。常に「他人と同じ」ではなく「他人と違うことがしたい」と考えており、自己の全体性を求めている。また、こうした考えを持っているせいか、周囲からは孤立しがちであり、自身もなれ合おうとしない。しかし、久美子のことは特別視しているらしく、「久美子なら私の言っていることわかるでしょ?」などと発言。世界をどこか冷めた気持ちで見ている久美子なら自分を理解してくれると考えているようだ。一方、久美子は麗奈の発言を受け「なんとなくわかる」とコメント。毒舌で口下手ながらも溢れる熱い思いを久美子に伝えるこのシーンは大変好印象。台詞はアニメですから劇化されてますのでちょっと中二病っぽいのですが。しかし、これは思春期なら誰しもが持つ感情なのではないかと。アイデンティティの喪失と確立。高坂さんは自身のアイデンティティを音楽の中に求めているのではないかと。
それにしてもこの回は素晴らしかったですね、いろんな意味で。友人と放送後、百合なの!?百合なの!?で大騒ぎでした(笑){/netabare}

追記
10話まできました!
キャラの本心がわかってきた、心理描写が多くなってきました!
いろんな意見があるとは思いますが、一人ひとり考えるところがあって、去年のことやこれまでのことを踏まえていろんな心情を推測するのが毎回楽しみです。

追記
最終話まで見終わりました。3か月間、1話も欠かすことなくリアルタイムで視聴しました。久々に毎週毎週心待ちにし、放送時にはテレビの前を陣取り、のめりこむように見ました。間違いなく今季、いや今年№1だったと思います。ここ数年でもかなり上位に食い込む名作でした。本当に良い時間だったと思います。2期を匂わせる締めくくり方・・・期待するしか!!

さらに追記
初めてアニメのBlu-rayを買いました!
衝動買いに近かったですが笑
私たち視聴者は円盤を買うことくらいでしかアニメ制作の力になれませんので。円盤を買って制作費の一部にでもなってくれればいいなとずっと思っていたのですが、こつこつ貯めたバイト代でユーフォBlu-rayを集めることを決意!2期がつくられることを願って購入しました^^
それ以上に単純にもっといい画質で見たい、もっと多くの人に見てもらいたいと思ったことが大きいですが。将来子どもを持った時にでも見せてあげたいなと思いました。これをみてなんでもいいから一生懸命打ち込んでくれるよう感化されないかなと^^
サントラは放送時からずっとほしいなと思っていたのですが、アニメイト・TSUTAYA・タワレコ・Amazon全てで売り切れ!結局アニメイトで取り寄せていただいて3週間後にようやくゲットしました笑
サントラの売れ行きはなかなかに好調なのでしょうか?それに見合うくらいに音楽が優秀でした!
個人的には「プロヴァンスの風」が好きです!2015年の吹奏楽コンクール課題曲だそうですね。かっこいい曲です。もちろんユーフォのために書き下ろされた「三日月の舞」も素敵です。
Disc1の「はじまりの旋律」は初めて聞いたときには鳥肌が立ちました!もともとサントラ好きの私ですが、近年でもなかなか上位に入り込む素敵な曲です!8話「お祭りトライアングル」の大吉山頂上での久美子と高坂さんの対話シーンに使われていた「意識の萌芽」もめちゃくちゃにかっこいいです!
通常のサントラとしてもかなりの出来なのに、さらに劇中の吹奏楽曲フルバージョンが収録されていて大満足でした。

さらにさらに追記
先日、大学の方で「講義で扱った社会学の理論を映像作品に当てはめて考察」といった内容のプレゼン発表があったのですが。そこで「響け!ユーフォニアム」を選択した私。アンケート投票の結果、なんと総合1位をいただくことが出来ました。ありがとう、ユーフォ。
第8話を考察した内容でしたが。その発表内容を軸に8話の感想だけ少し詳しく後述します。(まだしてない)

5観点評価についてです。
物語4.0
{netabare}序盤は吹奏楽を知らない人でも入りやすいようにやや説明的に。葉月と同じ目線でみれて素人でもわかりやすい作りになっていました。全体的にふわふわした感じで和やかでした。
滝先生の登場から徐々にスポ根的に。練習の描写が多くなってきました。ここでも素人にわかりやすく何の練習でどんな意味があるのか説明が加えられていて良かったと思います。5話でひとつ幕が下り、同時に新しいスタートが切られたように思います。久美子の台詞によく表れていました。
そして8話です。これは本当に素晴らしかった。神回と言ってもいい。これまでの雰囲気を一気に変えました。OPからEDまで、どこをとっても一流だったと思います。9話から13話までは流れるようにうまく繋ぎ合わされた熱い展開でした。思春期の子どもたちの若さゆえのぶつかり合いや友情、短期間で成長する様子。同年代の子は等身大で、大人は当時のことを思い出しながら胸を熱くされたことだと思います。本気だからこそ生まれる想い。がんばれ!と思うと同時に、羨ましいなと思いながら見ていました。誰もが経験できることではない。当事者はただただ一生懸命で苦しいことが多いだろうけど、大人になった時に必ず生きてくると思います。本気でぶつかり合える環境・時間を羨ましいなと感じました。「本気になるって素晴らしい」この作品のテーマが痛いくらいに伝わってきました。部活動をする意義が全てつまっていたと思います。

追記
この結末に関して、ちょっと練習したくらいで金賞とれるかよとか、出来過ぎとかそういう理由から物語面での評価を落とされてる方も多くいらっしゃいますし、私も関西大会行けるんかよと思ったところもあるのですが。
先日、これまで入賞経験がほぼ無かった長崎の活水女子高校吹奏楽部が全国大会への切符を勝ち取ったというニュースを見てみる目が変わりました。
活水には、今年の4月から所さんの番組で有名な精華女子吹奏楽部の指導者であった方が赴任してきています。
すなわち、今年の4月から再スタートをきって、同年に全国まで勝ち上がったということです。
ユーフォのストーリーも一見、現実離れしているようですが指導者の実力と生徒の努力次第で本当にありえてしまうことなんだなと思いました。
ですから出来過ぎだとかで物語の評価をマイナスしてしまうのはちょっと違ったかなと反省した次第です。
余談ですが、吹奏楽部出身の友人が京都自体が凄く激戦区というわけではないから勝ち抜いてもおかしくはない、そもそも一話から合奏はダメだったけど個の実力はまあまああったというようなことを言っていました。信憑性はないですけど^^;
{/netabare}

作画4.5
{netabare}これに関してはもう拍手を送るしかないでしょう。さすが京アニ。期待を裏切りません。背景・人物・楽器・演奏シーン、京アニにしかこのアニメは作れないなと思いました。吹奏楽部をテーマにすると知って、演奏シーンでは何十人も同時に動かさないといけないし楽器も複雑。これは京アニでも吹奏楽部のツッコミ待ちアニメになるだろうと思ってましたが・・・見事でした。元吹奏楽部の友人も絶賛のクオリティ。5話のマーチングでは手書きであの人数を動かし、8話の高坂さんと久美子の絡み、12話での久美子が激走するシーン、そして最終回のコンクール、演出も作画の細やかさも文句なしです。見る者を惹きつけて離さない、瞬きさえも惜しむくらいに魅了されてしました。埃をあんなに美しく描いたアニメは他に見たことが無い!{/netabare}

キャラ4.0
{netabare}回を増すごとに深みを帯びてきましたね。揺れ動く心情と心の成長が丁寧に描きこまれていました。とても人間らしい、日本の高校生らしい子たちでした。客観的に見れば、正しい正しくないでばっさり言ってしまえることも、彼女たちにとってはそうはいかない。「今」を全力で生きる彼女たちの選択は間違うことも多かったけど、結果的にそのすべてが実を結んだんだと思います。部員同士でのいざこざや顧問に対する反抗心。すべて無駄ではなく確実に次につ繋がったのではないかと思いました。加えて1~3年生、それぞれがとても魅力的でした。1年生は先輩や新しい環境・仲間との関係。2年生は中間学年としての上と下とのバランスや上手な1年生に対しての焦り、先輩との絆。3年生は最後の年だという強い想いと進路の問題に苦しむ。というのが学園アニメ鉄板のテーマだと思います。主人公の学年を1つずつ上げていき、経験させる手もあるますが、ユーフォの場合は各学年にキャラ立ちした子がいたおかげで一気に全て描かれていたと思います。誰もが経験したであろう悩み、それだけにキャラクターの気持ちが伝わってきて・・・心に響いて仕方が無かったです。燃え要素や派手さはなくても十分に人を惹きつける子たちだったと思います。{/netabare}

声優4.0
{netabare}京アニは本当に良い若手を見つけるのがうまいですね。毎回思うのですが、本当に良い演技を・・・。メインに若手、脇をベテランは固めるという形。脇からギュッと締められた良い配役だったと思います。やはり何といっても主演の黒沢ともよさん。なんと昨年高校を出たばかりだとか・・・。すごく将来が楽しみだなと思いました。なんというか、演技が自然なんです。自然なのに確実にその声は久美子のもので。なんとも味のある演技だなと思いました。特に12話での「悔しい!」。あれは良かった。わざとらしくない、本当に心から、身体の奥底から湧き上がる気持ちを抑えきれないんだ!というのがめちゃくちゃに伝わってきました。本気の「悔しい!」。作画に加えてあの演技がリアル感をさらに増していました。素晴らしかった。{/netabare}

音楽4.5
{netabare}サントラがほしい!と思いました。というか買いました(笑)
4.5点を付けたのは「けいおん!」以来かもしれないです。
演奏の実力の微妙な加減がすごい。BGMの使い方も何とも言えない。最終話では極力音をおさえることで緊張感がひしひしと伝わってきました。会場に向かうシーンの昂揚感あるBGMはかっこよかったですね!個人的には8話EDの哀愁漂う演出に趣を感じました。そして最終話EDのDREAM SOLISTERオーケストラver.。あれはたまりません!!OPとても好きなので!本当にこのアニメはOP、EDもしっかり話にマッチしていてよかったです。やはりアニソンはこうでないと!{/netabare}


最後に、このアニメは本当に良い作品でした。面白いアニメは世の中溢れかえっているけど、良いアニメっていうのは意外とそう多くないと思ってます。観る者に確かな何かを訴えかけるようなアニメ。是非多くの人に見て欲しいと思える作品でした。それで仮に面白くないと感じたとしても、これをみて何も思わないわけがない。必ずなんらかの感情が湧き上がることだと思います。それくらいに中身のあるアニメだと思いました。
本当に、もう1話から1場面ごとに万の字を持って語りつくしたいものです。
何度も見返したくなる、素敵な作品でした。
これだから京アニはやめられない!!

投稿 : 2015/08/24
閲覧 : 389
サンキュー:

37

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