Lovin さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
観た感じ
■概要{netabare}
原作:蒼はるか
キャラクタ原案:コゲどんぼ
監督:木村真一郎
シリーズ構成:やまだやすのり
キャラクタデザイン:川嶋恵子
制作:J.C.STAFF
話数:2クール全24話
OP:「Sugar Baby Love」
by 石田耀子
ED:「Snow flower」
by 山本麻里安
{/netabare}
■感想
DVDを視聴。餓鬼に絡まれる話。
自然現象を操る季節使いのシュガーとピアノが得意なサガとの交流を軸に、二人の成長描かれる。
登場人物の大半は雪使いのシュガー(見習い)や小学生らしき少女のサガの友人達と平均年齢が低く、心に余裕が無いときに観ると非常にウザい。だが、シュガーもサガも終盤に向けて少しずつ成長していく心温まるストーリーだ。
シュガーのような季節使い見習い達は、「きらめき」を探すという使命を負っている。「きらめき」を見つけることにより魔法の花が成長し、蕾の開花が見習い卒業を意味する。サガも含めて、この「きらめき」が何なのかわからず、きらきらしたものだとか、ぽかぽかしたものだとか、ふわふわしたものだとか、思い思いの「きらめき」を日々探し続けている、という体である。
季節使いたちは、楽器を奏でることで風や雨や雲や雪といった自然現象を起こす妖精。通常人間はこの妖精を目視することは出来ないが、極稀に姿が見え会話出来る人間が居り、サガもその一人。シュガーは季節使いとしては見習いで未だ幼く、几帳面な性格であるサガも母親との思い出から離れることが出来ず幼さが残る。そんな二人が喧嘩を繰り返し、お互いを尊重しあえるくらいに仲を深めながら共に成長していく。
この作品にも特筆すべきグレタと言うキャラが居た。わかり易く形容すると、今や黄色い悪魔と化け猫にその地位を奪われてしまった青狸作品に登場するスネちゃまのようなキャラだが、スネちゃまと違うところは案外いいヤツだということ。サガに対して一人よがりな対抗心を燃やすこのウザいだけのキャラは、クライマックスで劇場版のジャイアンのような人の良さを見せる。
楽器を演奏している際の挙動がおかしい部分があったり、ツッコミだせばキリはないが、昨今のアイドルアニメのように演奏がメインではないのでそこは軽く流すべきだ。あとサブタイトル画面で何話目かのカウント表示があるのだが、1~5話はプレーン、6~10話はイチゴ、11~15話はチョコ、16~20話はハニー(メープル?)、21~24話はホワイト(シュガー?)の風味のわっほー(ワッフル)が表示される。
私は最終話のED直前でシュガーの放つ一言が何だか許せず、監督の木村真一郎のことが嫌いになった。だが、木村真一郎×J.C.STAFFの作品の色調が何だか好きだ。他作品では「まぶらほ」くらいしか覚えていないが、コントラスト比が高いと言うか・・・この違いを表現するボキャブラリーがない自分に歯がゆさを覚える。
私はこういう少し古い作品を観るのが好きなのだが、その理由はスタッフやキャストに懐かしさのようなものを感じるからである。例えばスタッフなら、「バカテス」他で監督を務めた大沼心、「ろこどる」他で監督を務めた名和宗則が原画を担当していたり、「Working!」他で監督を務めた平池芳正が演出をしていたり。{netabare}余談だが、「まぶらほ」の監督補佐に長井龍雪の名前もあった。{/netabare}
キャストで言えば、ヴァルハラに旅立たれてしまった川上とも子さんの在りし日の元気な声、詳しくは知らない病気を患ったサエキトモの男らしい声が鮮やかに蘇る。そういうのが好きなのだ。
この作品は漫画が原作なのだと思っていたがオリジナルアニメらしい。なので漫画はどちらかと言えばコミカライズと表現するのが正しいと思う。漫画の結末の記憶はかなり薄れているが、アニメとは違いサガが友人達と共に大人への階段を登ると言ったアニメより落ち着いた話だったと思う。どちらの結末が好みなのかは分かれると思うが、アニメのほうが派手さはあるだろう。癒しになるかもその人次第だが、少し疲れている方にはお奨めできると思う。
■蛇足{netabare}
サガと言う名前を聞いて、
「タイガーアッパーカット」を思い出した。
あとキャラ原案の「コゲどんぼ」、
このレビューを書くまで「焦げ蜻蛉」だと思っていた。
そしてこの作品のOPがヘナチョコBEST1ですよ、はい。
{/netabare}