ビアンキ さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
懐かしさの中に
アニマックスにて全話視聴。
この感想はあくまでも「第1期のみ」の評価である。
95年から今現在も続いているのは第2期。そちらの評価ではない。
さくらももこによる、エッセイ漫画のアニメ化作品
本作の魅力を書いてみる
まず本作は、
「懐かしい」
いわゆる「ノスタルジー」である
あの頃の町並みって、こんな雰囲気だった
あの頃の学校って、あんな雰囲気だった
あの頃の人たちって、あんな感じだった
あの頃の自分たちって、こんな感じだった
そんな「懐かしさ」が本作には詰まっている。
そんな視聴者のノスタルジーをオープニング曲:「ゆめいっぱい」が映像と共に刺激する。
これらはとても魅力的な要素だと思う
…しかし、おかしい。
本作は1970年代頃が舞台である。
そしてこの感想を書いている私は、それよりもはるかに後に産まれた人間である。
なぜ私は懐かしいと感じたのだろう。
考えた。
結果を下記に書く。
…本作はただ懐かしいだけの作品ではない。
原作者:さくらももこのエッセイという部分も持っている。
多分、私が感じた「懐かしさ」の原因はこのせいだ。
親への物のねだり方
腹痛のときの波、その時の心境や対処法
デパートで迷子になったときの心境
こういった子供の頃の
「どの世代にも共通する、あるある」
これだ。
これがキートン山田氏のナレーションも相まってか、懐かしさの中に魅力的な「毒」を入れている。
今現在 私が小学校の頃を思い出すと、ただ単に「懐かしい」
しかし、実際小学校の頃をよく思い出してみると、小学生なりにいろいろと苦労していた。
1970年代頃をモデルとした世界観はとても魅力的である。
しかし私が刺激されていたノスタルジーは、本作の醸し出す「あの頃の懐かしさ」ではなく、
あくまで、私個人の小学生時代の
「あ~こんなことあった、こんなことした、こんな心境になった」
という「記憶」が刺激されていたのであろう。
他にも、キャラクターも毒をもっていて、且つ視聴者の ノスタルジーを刺激する。
はまじ、みぎわ、たまえ、といった名前のあるキャラクター達もそうだが、
原作者が子供時代に観察していたであろう
「こんな奴いたわ」という、名も知らない人たち。
この名前のないキャラクターたちがさらに本作を懐かしく、また面白くしている。
そしておそらくこういった部分に感じる
「懐かしさ」や「面白さ」はどの世代の どんな人にでも共通するものだと思う。
そういったものをもっているからこそ本作は
「社会現象」になれたのだろう。
作画クオリティは高くはない。
しかし原作漫画からして絵はあまり上手くない上、その絵をアニメーションとして、うまいこと再現しているので、これで充分良いだろう。
オープニング曲は上記で語ったので、
エンディング曲:「おどるポンポコリン」
第2期ではオープニング曲であるが、この第1期ではエンディング曲。しかも途中で変わる。
アニメーションも相まってリズミカル。
ただ、この「第1期のちびまる子ちゃん」らしくはないかもしれない。と思う。
エンディング曲2:「走れ正直者」
これは変な曲である。ただこれもアニメーションが付くとちびまる子ちゃんらしくなる不思議。
曲そのものも、意外と合ってるかも。
「あの有名なちびまる子ちゃん」というだけで見ないのはもったいない。
何か面白いアニメを探している方、是非見てほしい。
「懐かしさ」と「毒」を持った傑作である。と評価する。
下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。