ダレイオス さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
綺麗な作画のなかで展開されるギスギスとした物語で萌え絵に釣られた人ごめんなさいアニメ。
主人公の乃々香が友達に黙って引っ越して7年後に戻って来た
所から始まるストーリー、戻って来て直ぐにおそらくは友達だったであろう
少女になぜ戻ってきたのか言われたり開始直後の印象としては
勝手に引っ越したことによるかつての友達との関係修復物語に見えました。
そしてSF要素として謎の円盤(おそらくはUFO)の存在
7年前に現れた当時は騒がれたが、何も実害がなくそのうち
みんなからは別になんとも思われなくなり謎の存在とよくわからない。
そして謎の少女ノエルの存在で戻って来た乃々香の家になぜか現れた存在だが
その正体は1話である程度は判明する。
それはかつて黙って引っ越した時に別れた友達の1人のようで
なぜか乃々香かノエルのことを忘れていて
その上、家で悪さをしたと勘違いしてノエルを追い出し
人間関係が最悪な状態からスタートするようですね。
ただ関係修復は早い、悪さしたのは勘違いだと気付いたり、ノエルのことを忘れていたことも
思い出して謝罪と関係修復を1話かけてやった感じ
乃々香が必死に走り回って追い出したノエルを探す所もあるので
主人公の頑張りも伝わってきたのでまあ何も考えなければ1話は感情移入しやすく
関係が修復して良かった良かったと思えるでしょう。
しかしどうも1話から感動を持ってきているタイプだけに
2話以降もストーリーの出来は保てるのかと不安も感じる出だしでした。
あと謎もありますね。
なぜかノエルは7年たっても成長していなかったり
今までどこでどうしていたのとかわからなくでハッキリ言って謎だ
円盤の存在もあってどうも宇宙人なのかと思えたり
気になる点も多い出だしでもあります。
序盤のストーリー展開は戻って来た乃々香がクラスメイトの柚季に
円盤を追い出す運動に参加させられるもので
正直あんまり面白くはないかな、円盤自体に実害があるのなら納得いくのだが
別になさそうなのに追い出す運動をするのはよくわからないし
円盤を追い出すことは運動すれば何とかなるものかとか
政治家や警察などの国家権力に依頼すればいいものかと
個人的には色々考えたりはするものの納得のいく答えが思い浮かばない。
それもそのはず、円盤なんてこの世に実際に存在しないわけで
視聴者がどうすればいいのかの納得のいく予想は出来ないし
どうすればいいのかもわからないのは、致し方ないかな
というわけで序盤の展開は視聴者的には感情移入しずらいように感じました。
人間関係もギスギスしている
1話冒頭でなぜ戻ってきたのか言われた少女の汐音とは特にギスギスしていて
まあ萌え絵に釣られて見ていた視聴者には辛いかもしれない。
テンポはそれ程早いアニメではないので
ギスギスしている上テンポが遅いと視聴者を篩いにかける
しかも柚季の独りよがりの円盤追放運動をかなりの期間見せ付けられるので
面白くはないかもしれません。
乃々香と柚季もずっと仲が悪いままなので見ていて辛いし
柚季の自分勝手でずっとそうなっているので
険悪になっている理由は明らかなのにまったくよくならない人間関係は
ストレスが溜まる一方ですね。
原因がハッキリしているのに関係が良くならないこれ程
ストレスが溜まるものはないです。
しかもたちが悪いことに不仲が解消される過程も
過程をちゃんと描かずに過去をチラッと思い出したり
過去の写真を見たら自分が悪いと反省して、いきなり感動シーンに突入するので
感情移入は困難かな、これでは何を反省して何が悪かったのかがわかりにくいので
視聴者的には苦しいでしょう。
描くべきことはそこではない。本来ならなぜ自分が何が悪いのかをよく考えて反省し
何が悪かったのかを理解しなければならないのだが
それが上手く描けていない。
中盤の見せ場のつもりなのだろうが見事に外している。
しかし柚季は謝罪してからはそんなには悪くはなかったと思います。
柚季が謝罪のために用意した旅行券で旅行に行くのは可愛げがあっていいし
5話までのギスギス感のギャップもあって結構いいなって思いました。
みんなで旅行なんて日常系みたいだが
謝罪後の仲良くなる過程は描けているのでその点は満足です。
乃々香もなぜ、みんなのことを忘れていたのかの掘り下げが入るので
普通にフラグを回収している感じで中盤以降は結構丁寧に進めている感じはしました。
意外に忘れがちだがこういった丁寧さは好感が持てます。
汐音に関しては乃々香と不仲が解消する過程はやはり描写不足だったかな
7年前黙って出て行ってノエルが汐音から聞かされた
「直ぐに戻ってくる」という伝言の約束をもやぶったことに怒っているのに
それを納得させるだけの描写は出来ていなかったと思います。
7年後に戻ってきて、それが直ぐに戻ってきたことになっていて違和感が・・・
7年後だけど戻ってきたから、いいでしょ?的な考えは個人的には苦しかった。
何も考えなければ雰囲気で感動出来ますが視聴者に説明不足かな
しかも仲良しになったと思ったら、とあるノエルの言動に何かを感じて
仲良し解消って・・・この間隔が短いのでまた不仲になるのってなります。
後半はノエルのシナリオなのでノエルが動いたりするシーンが多いので
ノエルの可愛らしい姿は素直に楽しめばいいし
ノエルの「みんながにっこりになること」の思いは伝わってきた。
この「みんながにっこりになること」がかなえばノエルが消えてしまう
問題もみんなで考えて、そうならないようにしようとして色々衝突する姿は
良かったと思う。
汐音との不仲も5人が仲良くなるとノエルが・・・って展開なんで
この不仲の原因もここまで見ればわかるので納得は出来ました。
ギスギス感が消えないんで胃に痛いアニメだと思いますが
個人的には最後の方はまとまっているなと思ったので
終わり方は良いと思える感じでしたね。
キャラについては序盤イライラさせられるキャラ達ですが
最後まで見れば何でみんな怒っていた理由がわかるので
最後の方は別にみんな好きになれましたね。
個人的には乃々香は見た目のわりにしっかりとした性格だったので
視聴しやすかったです。
汐音もあんまり人気なさそうですが自分が大好きだった女の子に裏切られて
憎しみに変わる気持ちはわからなくはないので実はそんなに嫌いではないです。
個人的には好きですね。
ただキャラの評価となるとやっぱりやや苦しいかな
キャラ同士の友情は単にギスギスしていただけであまり描けてないですし
ギスギスするにしてもキャラの心理描写を良くすることも出来るはずなのに
それが出来ていないのは気になりました。
単にキツメな性格の子が多いだけなので個人的には好きだけど評価的には苦しいとは感じています。
作画はかなり綺麗で背景が特に綺麗でした。湖周辺みたいなので
緑が多く森や林の作画の感じもかなり良かった。
12話と13話の自然風景の作画は普通の描き方とはチョット違う描き方に見えたので
特殊な作画が特に綺麗でかなり頑張っているなと思えました。
キャラの作画もかなり安定していて終盤の乱れもなく最後まで綺麗でした。
作画を頑張っているので1話のノエルの所へ走る乃々香のシーンも凄くよく見えて
演出もかなり良かったと思います。
作画はかなり満足です。
声優さんについては乃々香役の夏川さんは普通に喋っている限りでは
上手かったと思います。ただ叫び声がやや不安定で少し気になりました。
演技力が問われる部分では少し不安定な演技だったと思います。
ただ後半は大部改善されてそれ程は気になりませんでした。
1クールでも上手くなられる方は上手くなるようです。
ノエル役の水瀬さんは声質もいいのですが演技力もかなりあった様に聞こえました。
そのおかげで声だけでも可愛いと思えるだけのものはありました。
柚季役の豊崎さんはキツメの性格のキャラの演技には迫力を感じたし
怖い感じの演技は凄く上手かったのでドロドロした感じも出ていて凄く良かった。
逆にデレてからの演技には可愛さを感じることが出来たのもかなり上手かった。
汐音役の小松未さんもキツメの性格のキャラの演技が上手いので怖かったですが
演技としてはかなり良かった。
個人的にはこういうキツメのキャラはあまり上手くない人がやると迫力が無いと感じると
思うのでそういうのがなくて良かったです。
声優さんについては満足です。
1話が良くて、6話、7話と10話以降は良かったのだけど
最初はギスギスとして揉めている理由もあんまりわからないので面白くない回も多かったです。
仲良くなる過程も上手く描けてないのでせっかくの感動シーンで感情移入しずらかった。
ただ1話のノエルへの謝罪は乃々香の頑張りが凄く良くて良かったし
柚季が謝罪で旅行する回は丁寧で良かった。
最後もまとまっているなと思える終わり方だったので
終わり方としてはベストだったのではないでしょうか
良い物語とは言いにくいが悪い物語とも言えない普通に思えました。
ギスギスしているので萌え絵に釣られた人には向かないかもしれません。