どらむろ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
フランス革命を舞台に繰り広げられる華麗なる物語。不朽の名作です!
通称「ベルばら」。少女漫画原作で、宝塚歌劇団の人気演目となり、当時そして今なお熱狂的な人気のある名作です。
フランス革命前夜、男装の麗人オスカルや、フランス王妃マリー・アントワネットたちの波乱の恋愛や過酷な運命を、華麗にドラマチックに描いてます。
1979年と古いですが、不朽の名作です。男子が観ても面白いです。
※2015年5月より、「NHK BSプレミアム」でデジタルリマスター版が放送中です。
作画が向上しており、現代基準から見ても遜色ない。
全41話と長めではありますが、BS加入している方は、是非おすすめです!
{netabare}『物語』
時は1770年、フランス王国。
オーストリア帝国ハプスブルグ家から14歳でフランス王家ブルボン家に嫁いできた皇女マリー・アントワネット。
彼女を護衛する同い年の近衛士官オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェは男装しているが実は女、男勝りにして華麗なオスカルは、気高く美しいマリー・アントワネットに忠誠を誓うのだった。
史実とフィクションを巧妙に組み合わせたストーリーが素晴らしいです。
オスカルやアンドレは創作ですが、マリーアントワネット、そしてフェルゼン伯など実在の人物も多数。
更に史実の事件も絡めつつ、ドラマチックに物語が進行します。
悪女ジャンヌ一味の「首飾り事件」も見所満点。
大河ロマンとしても超一流で、歴史好きな男性視聴者(読者)でも全く飽きさせないです。
ベルサイユ宮殿での女同士の熾烈な争いとかは、流石は少女漫画…!
…やっぱり同い年のスウェーデン王国の軍人フェルゼン伯爵とマリー・アントワネットが禁断の恋に落ちたり、オスカルは従者の青年アンドレ(平民出)と身分の壁に阻まれる恋に苦しんだり…
とにかく「禁じられた恋」が、華麗なるベルサイユ宮殿を舞台に繰り広げられ…
更にフランス革命の激動の時代のうねりに翻弄されつつ、それでも気高く美しく生き抜いた彼女達のドラマは圧巻です。
現代や現代的価値観の異世界ファンタジーに慣れている視聴者的には、ガチで前時代的な価値観が絶対の時代ならではのドラマチックな恋愛劇が、鮮烈な印象残ります。
さすが、宝塚の花形演目!宝塚見た事無いですけどw
ロザリーとオスカルの百合萌えも良い♪
ロザリー視点のドラマ、母がオスカルと敵対している悪女(でも娘は愛してる)だったり、妹シャルロットとの交流など、こちらだけでも十分な見所ありました。
華麗なるベルサイユと、困窮する民衆の悲哀を丁寧に対比させつつ、次第にフランス革命の不吉な足音が迫る。
ここに至るドラマや描写が丁寧かつ、オスカルの華麗な活躍で、自然に引き込まれます。
激動する時代に翻弄されつつ、それぞれが信じる愛を貫く!
終盤は名場面の連続で目が離せないです。
総じて
色褪せぬ不朽の名作なのは間違いないです。
歴史ドラマな側面と、恋愛劇以外の愛憎劇も豊富で、全編通して飽きさせない構成も抜群。
素直に面白かったです。
…宮廷の女同士の抗争劇など少女漫画要素濃すぎる部分が若干合わない点を考慮、0.5点引きました。
でも実質5点満点でもおかしくないと思う。
『作画』
1979年といえば機動戦士ガンダムと同年という古さ、にも関わらずキャラデザの美しさは群を抜いています。
今でもこれを凌駕するキャラデザは中々無いのでは。
初回放送時点でも時代背景を考慮すれば殆ど遜色ないのですが、デジタルリマスター版となった事で、現代基準でも高評価可能なレベルに。
※リマスター版はまだ序盤観ただけなのですが、抜群の作画向上にビックリ。
動画としても時代背景考慮すれば十分凄い。
宝塚には無い、アニメーションならではのベルばらを表現出来ているのでは。
…4.5点は、デジタルリマスター版の評価です。
『声優』
オスカルの田島令子さんは声優が本職ではないものの、オスカルといえば田島令子さん!なはまり役なのでは!
全般に普通のアニメよりも若干演劇調なセリフ回しが、本作のイメージに合っている。
マリー・アントワネットの上田みゆきさんの可憐さも相当なもの。
ロザリーの吉田理保子さんも、今聴いても十分萌える!
全般に声優陣は大ベテラン多し、本職で無い方々も。
普通のアニメに慣れていると異和感ある可能性はあるが、本作に限ればほぼ完璧なのでは。
切ない悲恋の心情吐露など、圧巻の名演技も多いです。
『音楽』
OP「薔薇は美しく散る」が超名曲。
オスカル様の華麗で美しい生き様をこれでもか!と歌詞に叩きつけた名曲…なんですが、このノリに不慣れな人は、戸惑うかもw
ED「愛の光と影」もOPに比べ地味ですが何気に良曲です。
BGMもかなり良いです。
アクションが盛り上がる時は盛り上がり、悲恋や宮廷の雰囲気もばっちり。
『キャラ』
宝塚でもスター級の英雄オスカル様のインパクト絶大、5点満点進呈しても良いかと。
男装の麗人といえば手塚治虫作品「リボンの騎士」のサファイア王女も居るが、麗人…とくればオスカル様一択なのでは。
意外に激情家で危なっかしい所とか、全てにおいて気高い生き様とか(主題歌は伊達ではない!)
そのオスカルに終生寄り添ったアンドレも良い男でした。
失明してからが本番ですな。
フェルゼンも良い男や…(普段野郎に関心薄いけど、カッコイイ…)
ジャンヌやデュ・バリー夫人、ポリニャック伯夫人らの悪女も魅力的でした。
悪くても妙に華がある、ステキな女性陣いいですねぇ。
本作一の萌えヒロインはアントワネット様よりも、ロザリーちゃんです。
清純!健気!かわいい!
オスカル様をお慕いする一途さ(ああ^~百合は好きなんじゃ~)
…思うに本作で一番男性読者(視聴者)受けが良いんじゃないかな?
キャラクター層は非常に厚く、不朽の名作に相応しいです。
『余談』ベルばらと私
私事ですが、母が大ファンで、単行本全巻持ってました。
なので私も結構幼い頃に読んだことありました(当時全く理解できず)。
その後、銀河英雄伝説とか三国志とかにハマり、歴史や戦記に興味出る→ベルばら再読して(フランス革命か、面白いな)と。
少女漫画ですが、歴史好きとしては、骨太の大河ドラマは男子が読んでも面白い。
アニメはNHKの衛星放送で初めて視聴、鮮烈に記憶に残りました。
(同時期、パタリロ!とかも再放送で)
2015年5月現在、「NHK BSプレミアム」での放送は僥倖、保存録画体制で改めて視聴中です。
改めてこれは不朽の名作だと確信しました。
これから毎週楽しみです♪
(ついでに「美少女戦士セーラームーン」も再視聴中♪){/netabare}