sherlock さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
君への想いがcresc.…
※後で改めて読んで自分でも恥ずかしくなったので
このタイトルに関しての質問は一切受けつけていません!笑
あと、今回は好きな作品で思い入れが強すぎて結構な長文になっています!w
まずは率直な感想から…
何となく泣いてしまいそうな気はしていたがやはり最終回は号泣した!w
最後の最後まで公生を振り回してついた嘘には
彼女の一途な強い想いが込められていてとても美しかった
また、今まで“音”と“色彩”どちらにもここまでこだわったアニメを観たことがなかったから
第1話を観終わったときに真っ先に「きれい…」って言葉が出てしまうぐらい
ストーリーよりも絵や音楽に魅せられた!
この作品を通して、綺麗な人を見たときに感じる“綺麗さ”とは明らかに違う“きれいさ”を感じることができた
そして公生を取り巻くかをりちゃん以外の存在感も非常に大きかった!
実は最初からこっそり着目していたキャラがいて
渡君は男から見てもイケメンだった!
公生が人を好きになったり挫折したりしたときに何を考えているのか
ホントは全てお見通しなのに直接何かを促す言葉はかけず
あくまで本人に何かを気づかせるような悟った言葉をかけるチャラ男君…
確かに女の子は好きそうだけど多分付き合ったらその子のことを凄く大切にするタイプのチャラ男w
おバカなフリして実は一番周りを冷静によく見てるタイプで
ストーリーの中ではちゃんとした描写はなかったが恐らく渡君は
かをりちゃんが実は公生のことを好きだって知ってたと思う
だから両想いの恋が実って公生には幸せになって欲しい…
だけど椿にも公生と幸せになってもらいたい…
そういう葛藤を経てライバル役を買って出るぐらいしか自分ができる選択肢がなかったのではないだろうか…
渡君は僕に似ているから考えていることが手にとるようにわかった!←皆さ~ん、ここ笑うところですよ~笑
ストーリーの内容は
お母さんと最悪の形で死別してしまい音が聞こえなくなった男の子が
無理やり音楽の道に引き戻され必死に過去のトラウマとたたかいピアノを弾く…
また、自分が好きな女の子は自分の友達のことが好きで恋は実る気配なし…
さらに、その女の子は体が弱く次第に病は深刻になっていく…
という完全にシリアスなお話なのだが
シリアスなのに観終わった後の息苦しい感じがないのは
カラフルな明るい色使いの絵と時々はさむ様々なキャラの独特な言動が笑えるからだろう
この作品の見どころは主に三つ…
{netabare}
Ⅰ.{netabare}母と息子の“愛の悲しみ”…{/netabare}
母親だって一人の人間だから完璧じゃない…
子供の幸せを願ってやったことでも
ときに時間という制約により自分が追いつめられると
息子を追いつめてしまうこともあるのだなと感じた…
また、一番忘れられないシーンは第13話にて
「もっと傍にいてあげたかった…私の宝物は幸せになれるかしら…」という短い言葉の中には
母の後悔・愛おしさ・悲しみ・不安などたくさんの感情が込められていて
それぞれの計り知れない想いに涙が止まらなかった…
非情な態度ばかりとって気持ちをうまく言葉にできない不器用な母親で
「あの子に何も残してあげられない…」とつぶやいていたが
実は彼女は息子への変わらない深い愛情を自分なりに残していた…
ラフマニノフ編曲クライスラー【愛の悲しみ】…
彼女はピアノで息子への愛を語っていたのだ…
一方、公生は亡くなった母に向かって放った最後の言葉が「お前なんか…死んじゃえばいいんだ…」
母を拒絶し実際に失った後悔から自分を責め続け
その原因を作ったピアノから逃げ出すために弱い自分が生み出した醜い母親の亡霊…
しかし、【愛の悲しみ】と正面から向き合うことで母親からの寵愛に気づき
この曲にのせて自分も母へ愛を届けたいという気持ちで演奏することで
あの時叶わなかった母とのちゃんとした死別ができた…
そう、音楽は言葉の壁を越え、お互いの気持ちを交わすことができるのだ
そして、公生は母が築きあげ残してくれた表現者としての道を進む決心がつき
“大切な人”を失って“気持ちを宿した音楽”を得たのだった…
例えどんなにひどい別れ方をしても
母と子の絆をつなぎとめたのは一曲の音楽…
公生にとって音楽は{netabare}“出会えた人たちとの思い出”{/netabare}であり
鍵盤をたたく限り母は公生の傍で見守ってくれているのではないだろうか…
後悔してからではもう遅い…
僕も母親にもっと感謝の気持ちを伝えたいと思えるお話だった
皆さんも今日(母の日)ぐらいはお母さんに自分の素直な気持ちを伝えてみてはいかがだろうか?
Ⅱ.{netabare}同じ世界でわかりあっている彼女と
ずっと傍にいるのに辛さを共有できない自分…{/netabare}
椿が、幼馴染みとして接してきた公生を
異性として本格的に意識し始めたのはやはり第13話のラスト…
椿が感じた公生の“成長”はよく知っていたはずの彼が
どこか遠くへ行ってしまうのではないかと不安を感じた瞬間なのだろう…
憧れの先輩は公生と違って気が利くし運動ができてイケメン…
そんな先輩と付き合っているのに…
弟のような公生がかをりちゃんと仲良くして幸せそうだから嬉しいはずなのに…
心に穴が開いてしまったような虚しい気持ち…
今までは姉のような存在だと自分に言い聞かせ
居心地の良い現状に満足してしまっていた
しかし、その現状がかをりちゃんの存在で崩れてしまってきた今
椿は何を思ったのだろう…
「気づきたくなかった…」という言葉には
幼馴染だからこそ気づいてしまうかをりちゃんに対する公生のちょっとした心情の変化のせいで
彼女の中にある喜びと悲しみがせめぎ合っていた気がする
そして忘れられないシーンは第14話にて椿が自分に行った言葉…
「放っておけない元気になって欲しい男の子…
このままずっと当たり前に傍にいると思ってた男の子…
ずっと傍にいて欲しい男の子…」
音楽の面で公生を支えてあげられる新たな強敵の存在により
自分はいつもこんなに傍にいるのに彼の苦しみを何もわかってあげられないという
{netabare}“幼馴染みゆえの無力感”{/netabare}を感じ
好きにならなければこんなに苦しい無力感を味わうことはないと
“好き”と“嫌いじゃない”の狭間を往ったり来たりする健気な女の子の気持ちを表現していると思う
{netabare}彼の好きなものが私の好きなものを奪っていく…{/netabare}
でもそれは彼が彼らしくあり続けるために必要で彼を好きになったきっかけ…
皆さんも一度は、好きな気持ちを抑えきれなくなって
このような葛藤に悩んだことがあるのではないだろうか…
ちなみに「いてもいなくて一緒なら一緒にいるよ…傍にいるよ…」って言葉は即行でメモしました!
あっ、そうだ!「いない方がいい」って言われた場合は使えない…orz(笑)
僕もいつか彼女ができたらアイスバーを一緒に食べたいです←急に話をそらすww
Ⅲ.{netabare}心の奥底に秘めた気持ちをありのまま映し
その人の本質に響き個性をも変えてしまう“音楽”{/netabare}
昔の公生は楽譜に忠実で完全無欠正確無比な演奏…
あの頃の公生は母親の操り人形で演奏自体に何の意味も見いだせていなかった
あるとき才能がないよりも重いハンディキャップを背負った公生…
「音が聞こえないのにどうやって弾けばいいんだよ」という公生に対し
「ありったけの君で真摯に弾けば良いんだよ…君はどうせ君だよ…」というかをりの言葉と自由な演奏で
彼の音楽に対する考え方は変わった
彼女の音楽で公生の音楽が変わったことで
音楽の魅力は音楽でしか伝えられないのだなと感じた
そして、同じピアノで楽譜に忠実に沿っていても演奏者によって音が全く異なり
楽譜の中に個々の自由な表現(感情)を加えて初めて個性となる…
だからこそ音楽は無限の広がりがあって面白いのだということを気づかせてくれた
公生のその個性こそが自分の心の奥にしまっていた大切な感情で
今までは考えられなかった{netabare}“誰かに何かを伝えるために弾く”{/netabare}という気持ち…
そして次第に聞いている人の耳だけでなく心を満足させる演奏がしたいと思えるようになり
音に何かを宿し聞いた人間に何かを残そうとしていた
あなたも音楽のような心が表現できる趣味に恋をしてみてはいかがだろうか?
きっと今まで自分の奥底に眠り気づいていなかった部分を発見できるだろう{/netabare}
は~い、ということでやはり長くなりましたが…
このアニメは公生の代わりに紘子さんと一緒にお風呂に入りたk…じゃなくて…←発想がもう渡(笑)
恋を通して誰かの耳を“惹く”ようなピアノを“弾く”という演奏者としての成長が見られ
複雑な恋心で最後に思わず涙してしまう作品なので
興味がある方はぜひ一度観てみてはいかがでしょうか(^▽^)
P.S.
俺が使うと即答で「無理」って言われるから
{netabare}「無理かどうかは女の子が教えてくれるさ」{/netabare}っていう渡のフレーズが使えない…orz
エロイムエッサイムエロイムエッサイム我は[笑いを]求め訴えたり←スベった時のおまじないじゃないよ(笑)