ノンリニア さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シェイクスピアを読んでみたくなる。
視聴後に心地よい達成感、爽快感のある作品です。
全24幕、連休にまとめて一気に楽しみました。
「話」ではなく「幕」とされているのはシェイクスピアの作品(主にテンペス
ト)を物語のモチーフとしているためです。
■こんなおはなし
孤島に幽閉された魔法使いの姫君と、日本で高校生活を送る二人の少年。
そしてその少年たちと微妙な関係にあるもう一人の少女。
この4人をメインキャストに物語は進行します。
人類が、その存在を試される試練に巻き込まれ、主人公たちが世界を混乱(関
節の外れた状態)からあるべき姿に戻すため、それぞれの想いを胸に活躍します。
■魅力
その1:壮大な物語と丁寧な心情描写
世界を巻き込む壮大なストーリーですが、登場人物たちの関係も丁寧に語られ
ているので、自然と世界に入り込めました。
これは原作によるところなのでしょうね、未読なのでよくわかりませんが……
その2:魅力的なキャラクター達
芯の強い主人公たちの発言や行動には常に爽快感が伴います。
中でもメインヒロインの一人「不破 愛花」の存在感は稀有ですね。
また、シリアスすぎてコミカル、敵役なのにお人よしな感じの登場人物たちも
いい味出しています。
特に「鎖部 左門」。
白い詰襟に日本刀、どこかで見たようなその出で立ちを見たとたんに予感はあ
りましたが……心理描写は一見の価値あり、好きなキャラクターの一人です。
その3:シャープな作画
BONESならではの緻密な画作り、キレイ&クール系のトーンは好みです。
その4:少しインテリっぽいところ
シェイクスピアの台詞の引用は、それだけで知的イメージ5割増しです。
それにしてもキャッチ-なフレーズが多いですね。
稀代のストーリーテラーにして言葉の魔術師、シェイクスピア。
真剣に読んでみようかと思いましたよ。
{netabare}
物語の最終回、愛花がディスプレイ越しに吉野と真広に語りかける場面。
これは、シェイクスピアがテンペストの最終幕で使った手法。
舞台から客席に向かって問いかけることで「第四の壁」を越えて現実と虚構の
交換を試みたシーンを彷彿とさせます。
このシーンの爽快感は最高です!!
{/netabare}