zu さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
天使と教会と百年戦争に魔女はケンカを売った。処女だけど。のキ ャッチコピーに(苦笑)
後に百年戦争と呼ばれる英仏の戦いが続いていた頃、村外れの森に戦いを極端に嫌いながら、日々人々を支えている魔女マリアのお話です。
マリアの希望は平和で戦いが無くなる事を望んでいるという姿勢は最後まで、貫き通されていたが、他の様々な立場の人(および人外)の主義・主張も示されていたことで、一つの意見を押し付けてくるような感じがしなかったのも良かったと思う。
それでいて、話がまとまりを欠くこともなく、良いバランスを保っていたと思います。
一方で、この作品自体が暴力的なシーン、自分(達)さえ良ければ相手はどうなっても仕方ないという人間の身勝手さ、宗教的な気持ち悪さを多く含んでいるので、共感出来たり面白い部分もあるのだが、これだけでは重く固く感じてしまうところに直接的な描写がない台詞の下ネタ(ギャグ)が笑いとなり重さ、固さを打ち消してくれたと感じたなぁ。
しかし、宗教というか、神や教会をこういう風に扱った作品が許されるは、やはり日本ならではなんだろうなぁ!!
視聴する前は「純潔のマリア」という作品タイトルから、ああ、純潔にちなんだドタバタアニメなんだろうなぁと思っていたけれど、それだけではなく、確かに下ネタは随所にあったけれども実に明るくあっけらかんとして楽しく笑えるように描かれることが多く、地味ではあると思いますが、完成度の高い良いアニメです。
内容がしっかりしたアニメが見たい人には良いのではないのかと…
魔女仲間のビブ(ウィンチェスターに雇われているイングランドの魔女)も以前は世の中の人を救いたいと願っていて、マリアに手を貸していたのも好印象だったなぁ。
他の魔女仲間は箒に乗っていたのにマリアだけがピッチフォークに乗って空を飛んでいるのは印象的だったなぁ!
物語の最後にアンの語りで、
「彼女の名はマリア。聖母様と同じ名前を持つ魔女でした」
この「魔女でした」だけで映像とか描写が全くないのに「マリアとジョセフが幸せになってエゼキエルが転生したんだなぁ」というのと「こんな物語でした」という2つのニュアンスを思わせるこの一言は上手かった!!
1話から11話までのエンドカードが、マリアを中心に登場人物が段々と集まって来ているのに気が付いた時はちょっと嬉しかったねww
こんなにいい作品に出会えたことが、今ではとても嬉しい(^^♪