どらむろ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
RPG風味の中世朝鮮風ファンタジー。流浪の姫がイケメン集めて成長していく♪
白泉社「花とゆめ」掲載の少女漫画が原作。全24話。
「十二国記」や「精霊の守り人」「獣の奏者エリン」みたいな中華(というより後者2作同様の朝鮮)風なファンタジー舞台で、何不自由なく育てられたお姫様が一転して過酷な運命に…
少女漫画の逆ハーレム作品ですが、シリアスとコメディーの配分が絶妙な良作です。
少女漫画、逆ハーレム、朝鮮風などの先入観で捨てるには勿体ない素晴らしい作品、オススメです♪
{netabare}『物語』
基本プロットは極めて王道で、まるでRPGで冒険しながら仲間集めしていく感じ。
テイルズを、主人公が美少女で仲間全員イケメンで世界観を朝鮮風にしたみたいです。
いわゆる「貴種流離譚」と呼ばれる系統の王道ファンタジーです。
お姫様のヨナ姫(かわいい)が命の危機!過酷なる運命!
運命に導かれ、ヨナ姫のナイトポジのハク(イケメン、超つよい)に守られながら…
最初は温室育ちの無知で無力なお姫様が…次第に力強く成長していく!
序盤の悲劇で生きる希望すら失ってしまったヨナが、国の現実や民の苦しみを知り、己の弱さを知り、ハクや仲間達に支えられ…回が進む程に王者の風格すら感じさせるカリスマに成長する過程が素晴らしいです
…ついでに次々とイケメンをハーレ…もとい仲間に加えていく。
仲間候補(龍の血を引く四戦士)各々が色々と辛い事情抱えていて一筋縄ではいかないのですが、そこを成長していくヨナ姫のカリスマで着々と攻略していく、ある種、乙女ゲーム的な展開かも♪
2クール使って非常に丁寧で良質なシナリオ、シリアスもあるが適度にギャグというかコメディー風味で意外と明るい雰囲気なのも親しみ易い。
良い意味でヨナ姫含めて皆精神的にタフで、かなり辛い宿命にもめげずに明るくがんばる雰囲気が良いです。
世界観的にはファンタジーだが過度に強力な異能は無い、割とリアル路線なのも好感持てる。
チート級に強いハクも毒矢の物量でピンチになったり。
(百発の矢で倒せぬからとて一発の異能に頼ってはならぬ。一千発の毒矢を放つのだ!)
その中で、非力なりに自分に何が出来るのかを模索するヨナかっこいいです。
いくらハクが強くても一人ではムリ。ファンタジーだけど妙にリアル。
ハクを死なせたくない→私には強い仲間が必要(自分よりもハクの為に)
…仲間集めの動機と説得力に好感持てるです。
ラブコメ的には、大好きだった人がまさかの敵になる、その人(スウォン)も決して悪人では無いっぽい、そんなヨナとスウォンの関係のドラマチックさが見所でした。
もう一人、ハクの素直になれないヨナへの想いが、もどかしさと切なさもありつつ、でもコミカルなラブコメの波動も感じたり。
しかし、ヨナ自身は鈍感系主人公(少女版)な上に過酷な運命に抗うのに忙しくてハクの気持ちに気付くどころではない辺りは、ラブコメとして見ると踏み込みは足りない一方、この微妙な関係性と感情の揺れは丁寧に描かれているので、十分な見所を感じました。
…足にトゲ刺さってしまったヨナに、ハクが蜂蜜塗るプレイもとい治療するシーンがエロ…もとい、ドキドキでしたw
終盤、悪徳領主を、海賊と共闘して懲らしめる展開では、ヨナの成長ぶりにビックリです。
ヨナ自身が危険を冒して活躍する展開は終始ハラハラする。
…全般に強敵がいないのですが、その分をシチュエーションで緊張感途切れさせないシナリオが巧い。
総じて王道で丁寧な冒険ファンタジーでした。
意地悪く言うと王道過ぎてご都合主義な感は若干ありますが、脚本の丁寧さが上回っている。
唯一、最後の仲間ゼノが加わり、私達の戦いはこれからだ!
と続きが気になるところで終わっているのだけが難。
…当然続編ありますよね!?
近年でも貴重なジャンルの良作、非常に期待したいです。
『作画』
近年のラノベや少年漫画やロボットアニメ等のスタンダードな作画とはタイプの異なる、美しい作画です。
近年の主流からは外れているものの、ヨナ姫の燃えるような赤髪のキャラデザの美しさは抜きん出ている。
同時期のヒロインで純粋に作画の可愛さならば、ヨナ姫が一番だとすら思う程。
割と崩れたギャグ顔も多いが、ここぞという場面での凜とした気高い美しさは圧巻。
喜怒哀楽の表情も可愛いです。
男性陣は水準程度のイケメン揃いで文句無し。
特にユン君がショタかわいい♪
キジャもかわいい。
全般にコメディーでの崩しが効果的に使われてます。
朝鮮風ファンタジーとしての世界観描写も中々。
あと、バトルシーンがかなり良い点も評価。
近い時期の下手なラノベアニメより断然良い。しっかり殺陣してる。
異能は控えめな作風で、剣や弓矢のみでしっかり見せ場作っているのは良い。
…総じて作画はかなり良いのでは。
皆さんの作画評価低いのは、本作が異質で慣れない視聴者多い為かも?
『声優』
ヨナ姫演じる斎藤千和さんが素晴らしい名演技、まさに「泣きの千和」の面目躍如でした!
普段の可愛さ、絶望した心の弱さ、無邪気なボケ…
決意と覚悟に満ちた凜とした気高さ、カリスマ溢れる強さ!
四龍攻略していく際の慈愛とカリスマ感…
更には涙を溢れさせる慟哭の演技…ヨナの魅力全てが伝わってくる名演です。
斎藤千和さんあっての暁のヨナ。
…個人的に、2014年度の女性声優ベスト演技はヨナ姫の斎藤千和さんだと思う程に高評価です。
ユン君の皆川純子さんもナイスな美少年っぷり。
他男性陣はイケメンボイス揃い。
海賊の女性指導者ギガン演じる榊原良子さんも素晴らしい。
これぞ榊原さんの本気!老境の女性指導者としてカリスマ感ハンパ無いです。
近年の榊原さんキャラでは、新世界よりの富子さんに匹敵する名演でした。
…ついでに、プッキューことアオの山本希望さんも。
「ヤー」なユリエちゃんのイメージでしたが小動物もいけるとはw
『音楽』
「十二国記」「彩雲国物語」の梁邦彦さん手掛ける楽曲が本作の雰囲気バッチリでした。
…一般のアニメっぽくないですが、主題や雰囲気はしっかり捉えてます。
『キャラ』
無知で無力な箱入り姫→辛い運命に翻弄され希望失う→ここからイケメン達に支えられてカリスマ開花して大成長するヨナ姫かわいいです!
喜怒哀楽はっきりしていて、ボケる時はボケて明るい雰囲気なのも良い感じ。
成長した王者のカリスマは近年のヒロインでは群を抜いており、彼女に口説かれればこりゃあ四龍も攻略されますわー♪
それでもやはり泣き虫な脆さもまた可愛い。
守られる姫の可愛さと仲間を纏めるカリスマのバランスが素晴らしい、こういう姫ヒロインを待っていたッ!
強く優しく気高いお姫様、いいですね~♪
ヨナを命を賭けて守るハクも良きナイトでした。
立場故に素直に想いを伝えるワケにはいかないのが切ない。
普段は主人にも遠慮しない態度も良い(少女漫画の王道ですかね)
スウォンは悪人ではなさげ、卓越した名君の予感。
それだけにラストのヨナとの邂逅はトラマチック、ああ~2期気になるんじゃ~!
旅の仲間では、違いの分かる美少年(幕末ロックの上様かな?)ユン君が可愛かった。
パーティーの知恵袋にして回復役、RPGでは彼が居なければパーティー詰みますね。
随一の常識人としてツッコミ担当だったり、終盤はヨナ以上にヒロインっぽく頑張ったり。
ヨナに次いで印象的でした。
神官イクスも出番少ないが存在感は大きい。
甘えん坊の忠臣キジャもあざとい可愛さ、なるほど流石は女性向けハーレム要員!
無口系のシンアは辛いトラウマ背負ってて攻略難度高め…からのヨナによる攻略でやはり良い。
ジェハが何気に三番目のヨナに惚れてる男なのか…?
ゼノの出番は…続編に期待したい。
それぞれタイプの違うイケメン達揃えてますねぇ。
…プッキューも外せぬ仲間でした。何故かアニメの主人公側の小動物って妙に有能ですw
ギガン船長もカッコ良かった。榊原さんボイスも相まって、老年ながら凄くいい女でした。
女性の魅力は若さだけじゃない…という貴重な女傑でした。
悪役はラスボスのスウォンが悪っぽく無く、敵は小物感が拭えないのが唯一の難点か。
それでもクムジは結構有能な悪党で中々。
この他も風の部族長などキャラ層は厚いです。
ヨナ姫をもって5点か迷った。まだゼノが本領発揮してない点、敵の層が薄い点で減点しました。{/netabare}