STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
なんだか楽しそうなデスゲーム
原作は未読。
いわゆるデスゲームものの一つみたいで、多数の暗殺者、ターゲットである一ノ瀬 晴、晴を
護る側についた東 兎角が1つの教室に集うという設定から、かなり殺伐としたものを想像
していたが、いざ始まるとそうでもなく、結構のんびりとした雰囲気が漂う。
ただ、この雰囲気は殺意の上に覆い被さった芝居がかったものであるところが面白い。
で、実際の晴の暗殺を巡る攻防だが、プロ同士の卓越した戦闘や高度な頭脳戦を期待
していたら、暗殺する側も護る側も結構しょぼい。
メタ的に主人公サイドを助けるために暗殺者側がしょぼいのは判らないでもないんだけど、
暗殺者の名門「東のアズマ」の中でも、特に才能に秀でた兎角が結構ポカやるんだよなあ。
戦闘に関しては素人の晴の方がよっぽど活躍していたんじゃないかと。
この辺に関しては拍子抜けの感はぬぐえなかったけど、そういう作品なんだと割り切って
見るとそれはそれで楽しい。
楽しめた理由としてはキャラが魅力的だったのが大きく、それぞれ暗殺の手法が異なるのが
それなりに飽きさせない。
あと女子キャラが多数出る他作品に較べて、内容が内容だけにクールな印象のキャラが多く、
可愛いと言うより美人さんが多かったのがちょっと新鮮だったかも。
それぞれのキャラをフィーチュアしたEDも結構楽しめたし。
割と早い段階で晴がただのか弱い娘ではないことが判ったために、終盤に至って明らかになる
真相はアッと驚くほどではなかったが、それなりに面白い設定。結局、晴の才能を見るための
壮大な検証実験だったわけね。
それより驚いたのは結局全員生きていたというオチ。この手のキャラが次々と死ぬような
作品で、実は皆生きていたという展開は興醒めしてしまうことが多いのだが、そこに至るまでの
展開がしょぼかったのが逆に効を奏したのか、この作品だとなんか許せる感じがあった。
他に印象的だったのは担任の溝呂木 辺で、一般人を装いながら、実は主催者側の人間
みたいな展開があるのかな?、と思っていたら、本当に何もなかった。
10代の女子10数名に対する、指導者の成人男性一人という構図自体は
「THE IDOLM@STER」を思わせるものがあったが、こちらは交流が深まることもなく、
溝呂木先生は終始蚊帳の外だったなあ。