ノンリニア さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
観続けると、、、↗
まとまった時間ができたので、以前より気になっていた十二国紀「月の影 影の海」(1-14話)を観始めました。
NHKアニメは放送局の方針が露骨に出ますが、ことクォリティに関してはハズレが少ないので期待はしていました。
OPから受けた第一印象は「これはアタリかも!」
自分好みの世界観が丁寧な画(静止画)で表現されており、原作挿絵の山田章博氏の名前がキャラクター原案として出ています。
さらに、壮大で雰囲気のある音楽もすばらしく、「これは期待できる!」とモニターの前で正座をする勢いでした。
{netabare}
が、冒頭の数話は違和感の連続でしたね。
まず、原作には登場しない級友の存在がストーリーに馴染んでおらず、行動や心理描写の不自然さが目立つため、話に没頭できません。
私はストーリーそっちのけで登場人物の一挙手一投足に気を取られ「変な汗」が滲んでしまいました。
これは単純に原作との差異に起因するものではありませんので、アニメから入った方の中にもそう感じる方は少なくないのではと思います。
そのため、十二国の世界に場面が移った後も、その不自然さとともに日常のしがらみを引きずり、舞台の切り替えにキレがない印象です。
原作では主人公の心情が地の文で語られる場面がありますので、それを対話で表現するために立てられたキャラクターかもしれませんね。
それと、視聴者層の共感を得るために学生生活のエピソードを盛り込み、私事として捉え易くする狙いがあるようにも思います。
それが悪いとは言いませんが、原作の世界観からあまり外れない形で主人公の心情を表現する方法があったのではないかと少し残念です。
それができそうな力を持ったアイテム(水禺刀)や魅力的なキャラクター達がいるので、なおさらそう感じたのでしょう。
とはいえ、原作者の了解を得た上での設定変更には違いありませんので、それを尊重し、若干折れかけた心に添え木をあてつつ視聴を続けると、、、
第6話で化けました。
「楽俊」の登場により主人公が世界に馴染みはじめ、こちらも安心して感情移入できるような展開に突入、後は一気に14話まで。
{/netabare}
全45話と長丁場なので、これから腰を据えてじっくりと楽む予定ですが、とりあえず「月の影 影の海」(1-14話)を見終えた時点での感想は「観続けて正解」というとこでしょう。
硬派な異世界ファンタジーがお好みの方は気に入るかもしれません。
ではでは。