ノンリニア さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
やっぱりイイ……
滅多にレビューを書かない自分が、ついつい更新してしまいます。
この作品、やっぱりイイ……
第11話視聴後更新分:
トランペットソロパートの再オーディション。
シビレました。
最初の頃のレビューで、演奏レベルの差をどう表現するかが課題の一つと書きましたが、絶妙な匙加減で表現しきっています。
音楽がテーマの物語なので音の表現は肝なのですが、制作スタッフも十分に承知のうえでのクオリティコントロールですね♪
この基礎部分がしっかりしているので、その上に構築されるストーリーは説得力がありますし、迫力すら感じます。
で、物語に心地好く没頭した11話。
この回は吹奏楽部が一つにまとまるための大きなイベント回でした。
外れた音を一つずつ調整しながら演奏をまとめていくように、人間関係も摩り合わせが進んで行きます。
この過程をこんなにドラマチックに描いてしまうなんて・・・・・・
原作を読んでないのでどこまでがアニメの力なのか分かりませんが、気持ちを伝える瞳の潤みや口元の動き、それと深みのある台詞には本当に感心してしまいます。
{netabare}
それにしても、オーディション前の久美子と麗奈のやり取りは、私の知る告白シーンの中でも間違いなくベスト5には入りますね。
女性同士ですけどWW
でもそれが全然いやらしくない。
異性間の愛とはまた別の、だけどそれに負けない深い関係をみせてくれます。
自分が高校生の時は校庭をただ走り回っていましたけどね、それと比べるとこの二人は随分と大人です。
一方、麗奈のライバルの香織と、彼女を慕う優子の関係もじつに丁寧に描かれていて、この二組の人間関係の対比も見事です。
{/netabare}
11回視聴後の更新分終了
以下は過去のレビューです。
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毎回のストーリーについては他の方のレビュー(皆さんとても分かりやすく書かれていますので)にお任せするとして、ここでは自分が惹かれた部分について書いてみますね。
■惹かれポイント
その1:
とにかく絵(画)が美しい!
(さすがの「京アニ」クォリティ)
オープニングでの楽器たちの質感表現、それを演奏する生徒たちの指使いや
表情の描写、カメラの揺れと自動焦点機能のタイムラグ、そしてラストの演
奏者全員を回り込んでからの主人公アップ、さらに瞳を通り抜けて普門館…
じゃなくて、高校吹奏楽の新聖地「名古屋センチュリーホール」を見上げる
一連の流れは観ていて気持ちいですね。
もちろん、OPだけではなく本編の画作りも丁寧で心地好く物語の世界に浸れ
ます。
{netabare}
第一話では、入学の季節らしい、ほぼ全編で桜舞う背景描写が印象的です。
主要登場人物の一人、新任吹奏楽部指導者の滝先生が初登場する宇治神社の
シーンもいいですよ。
先生がポケットからスマホを落とす描写、リアリティあります。
私もあんな感じで最後はヘッドフォンのコードが抜けて地面に落下ですね。
これ、作画スタッフさんが何度も自分のスマホで試してみたのでしょうか?
もし、そうであれば努力は報われていますよ。
そしてスマホのスピーカーから流れる「天国と地獄(地獄のオルフェ)」。
その後、映像と音楽の主従が逆転し、音楽に乗ってシーンが展開してゆき
ます。
この流れ、秀逸。
「けいおん」でもそうでしたが、京アニは本当に音楽と映像の融合が上手で
すよね。
また、「けいおん」と言えば、宇治神社の手水舎のウサギを見て、桜が丘高
校(豊郷小学校)の階段手すりを思い出す人も多いでしょう。
こういう何気ないイメージのつながりは視聴者の心に入り込むのに結構重要
だと思っていて、私の場合はこれで情が作品に移ってしまい、まんまとはめ
られた感じがします。
{/netabare}
その2:
音楽がイイ!
舞台が吹奏楽部なので既存の合奏曲を演奏するシーンがほとんどです。
そのためオリジナルの挿入曲を楽しむ機会は少ないと思いますが、それでも
十分に感動します。
{netabare}
第二話では「遠き山に日は落ちて」が挿入曲として使われています。
ヒロインの一人、高坂麗奈が吹奏楽部内のごたごたに対し自分の気持ちを落
ち着ける(ぶつける?)ように、校庭横の高台から夕焼けに向かってトランペ
ットで奏でる場面では、美しい背景描写も相まって聴きなれた曲がまるで別
の曲のように強く響きます。
また、演奏の出来不出来が、極度の誇張のない範囲で一般視聴者にもわかる
ように表現されているので、吹奏楽部の上達具合がリアルに伝わります。
第三話と第四話の合奏(海兵隊)の差のつけ方は絶妙です。
ただ、今後さらに上達したときの演奏の良し悪しをどのように表現するのか
が課題でしょうね。京アニスタッフのお手並み拝見です。
第四話で前振りされていた第五話サンライズフェスのマーチ曲は、、、
YMO Rydeen!!
意表を突く最高の選曲ではないでしょうか、滝先生センスいい!
しかし、著作権の生きている超メジャー楽曲を使うあたり、京アニの本気度
がハンパありません。
テレビアニメ内での楽曲使用料は1分ごとに加算されるのですが、そのぎり
ぎり一杯まで演奏してくれます。
それと、スタート前の先生の言葉「北宇治の実力、見せつけてきなさい!」
これは気合入りますよね。
{/netabare}
また、OPとEDの曲も好みです。
特にEDの「TUTTI(全員で)」。
ホーンのよさを引き出しつつテンポを上げる「スカ」調の曲を選ぶあたり、
センスがイイ。
エンディングアニメーションの背景には英国「2トーンレーベル」のキービ
ジュアル「ブロックチェック柄」を使い、冒頭と最後の4人の俯瞰アングル
は、2トーン・スカの代表的グループ、スペシャルズのアルバムを彷彿とさ
せます。
音楽好きが思わず顔を出す、こんなところもニクイですね。
その3:
気になる!
先生の乗っている車はルノー4でしょうか?
車はキャラクターを表しますから、そんなところも気になってしまいます。
それはさておき、本当に気になるのは……
{netabare}
滝先生が聴いていた「地獄のオルフェ」は大吉山北中学校の演奏ですよね?
接点はどこにあるのでしょうか?とても気になります。
高坂麗奈が先生を擁護する場面があるので、その筋ですかね?
{/netabare}
長くなってしまいましたが、音楽系アニメが好きな方なら楽しみ100倍、そうでない人も十分に楽しめる作品だと思いますよ。
数値は11話まで視聴した時点でのものです。
最終的に更新予定です。