color さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日本流ファンタジー
こんな素晴らしいファンタジー作品があったなんて。
今まで観ていなかったのが悔やまれる傑作でした。
舞台は日本でいえば平安時代くらいでしょうか。
空想上の世界なのでアジア諸国の色々な植物や建物が見られますが、
昔の日本を想起させる世界がとても緻密に描かれています。
国家があり町が栄え人々が暮らす様子。
都市から離れれば農村があり稲作をし平和に暮らす様子。
人間が生きている温かさや重みを何事もないような自然さで風景にとけ込ませています。
また人間の世界(サグ)精霊の世界(ナユグ)というふたつの世界をこれまた違和感なくストーリーに取り込んでこの世界では当たり前な自然現象のひとつとして扱っています。
だから本作の何がすごいかと言えばファンタジーファンタジーしていないこと。
日本の文化や伝承を『精霊の守り人』風にアレンジして表現することで立派なファンタジー作品に仕立て上げています。
ストーリーは公式のあらすじ↑がいちばんわかりやすいです。当たり前ですけど(笑)
けどちょっとだけ書きますね。
主人公の女用心棒バルサがヨゴ皇国の王子チャグムを守りながら旅をします。
チャグムに宿ったナユグの精霊の卵がストーリーの核になり、
バルサとチャグムの成長やヨゴ皇国の歴史と謎に迫っていきます。
簡略に書きすぎたせいでもありますがあらすじにすると地味なんです。
でも各話ごと見どころがしっかりあって飽きることなく観れます。
国を統べるためにヨゴの王が実の息子チャグムを殺さなくてならないなど国の政治も大きく絡んでくるのでけっこう濃厚なストーリー。
濃厚ではありますが堅苦しいストーリーではないので構えなくても大丈夫です♪
バルサのアクションシーンは作画がかっこよくて爽快感があります。
女用心棒だからといっておざなりな戦いなんかしませんよ。
よく出来たストーリーに負けないくらいそれぞれキャラクターが立っていますし、
敵も味方も好きになるキャラがいるっていうのは魅力的な作品の共通点ですね。
評価の声優&音楽がちょっと低めなんですけど…
声優はチャグム役が子役を起用して達者すぎない感じを狙ったのかもしれませんが、
メインキャラなのでもう少し上手い子役を選んでほしかったなと思いました。
音楽面ではOPのラルクが全然合ってないw。EDもいまいち微妙でした。
本編の音楽は最高なんですよ!なのでなおさらもったいなかったかな。
とはいえ本作にとっては些細なことです。
日本流ファンタジーの王道に変わりはありません。
本当に観て良かったアニメでした。