セレナーデ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
落ち着きはないけど、よかった。
やっぱりよかったですよ、これ。
たしかにストーリーの転がし方はかなり忙しく、落ち着きがないなあとは思います。ヒロの行動モチベーションの遍歴一つ見ても、ロボットファイトを嗜みたい⇒大学に入学したい⇒放火犯を捕まえたい⇒{netabare}犯人を殺したい⇒やっぱり犯人を捕まえたい⇒キャラハンの復讐を阻止したい⇒キャラハンの娘を救出したい、{/netabare}とやりたいことがいっぱい。思春期とはいえ一体何段階までギアを上げるのよとバテてしまいました。
しかしそこはそれ、アクションシーンとなれば話は別。画面から押し寄せる、この有無を言わせぬパワー。黙ってこの映像世界を堪能しやがれ、と言わんが如くの大迫力、これを繰り出されると、もう画面に釘付けですわ。戦闘はスピード感満点だし、BGMはダイナミックでテンションを上げてくれるし、アクションムービーに運転のうまいヤツが一人いれば間違いなく盛り上がる。戦闘なり逃走劇なりが始まると、あぁ今俺面白い映画観てるわーという高揚感に強制的に浸されてしまう力強さは、さすがディズニー、やっぱり面白いなと。
映像面ばかりでなく、観客へ伝えたいことをちゃんと画で語ってくれる脚本力も好感。ストーリー展開の忙しさにはついていけないところがあるけど、表現に関しては、なんでもかんでもセリフで説明する安易な表現はできるだけ避けようという姿勢がしっかり感じられて、いいんですな。叔母がヒロの部屋に料理を運んで、手を付けなかった料理を片付けるシーンなんて、ヒロが今どういう精神状態であるかが一発で分かります。
ただ、半ばごろ唐突に戦隊モノとしての顔を覗かせるので、できれば序盤に戦隊モノであることの示唆が欲しかったですかね。例えば、ヒロが工学の道を進むことになったのは幼少時に観ていた戦隊モノ番組の影響だった、みたいなプロローグを組んでもいいし。そのほうが、犯人捕獲計画に戦隊ヒーロー化を採用する流れがもっとナチュラルになったんじゃないかと思うので。