ノリノリメガネ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
哲学的ラブコメディ
非常に哲学的で独特なアニメ。大人向け。全体的に小難しいので、特徴的な作風も相まって好きな人は好きだし、苦手な人は苦手かもしれない。
作風・作画は湯浅監督らしさ全開で芸術的。
キャラクターもみんなかわいい。
1話から最終話までところどころリンクしており、全11話で一つの作品として完成されている。
人生を楽しむとは何かを作品で表現している。自己を振り返り、客観視し、認め、アイデンティティを確立する。いわば自分の人生の主導権を握るまでの話。
特に樋口師匠の台詞が印象的だ。
『今ここにいる君以外、他の何者にもなれない自分を認めなくてはいけない。』
『ばら色のキャンパスライフなど存在せんのだ。なぜなら世の中はバラ色ではない。』
「あのときこうしていれば」とか「別の選択をしていたら」とか、誰もが一度は思うことを表現しているが、果たして今の人生は本当につまらないものなのか。
自らの人生が不遇だと感じ、それをすべて「小津」のせいにしていた「私」であったが、それは主体的に自分の人生を生きていなかったということではなかろうか。
自分の人生を楽しめるかどうかは自分次第。楽しもうと思えば何だって楽しめるのだと気付かされるアニメ。