「いなり、こんこん、恋いろは。(TVアニメ動画)」

総合得点
77.4
感想・評価
1361
棚に入れた
7279
ランキング
625
★★★★☆ 3.7 (1361)
物語
3.6
作画
3.8
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

京都らしさはよく感じられた

 原作は未読。
 昨今、あちこちが作品舞台となっており、更に作品舞台が聖地と呼ばれるようになってからは
一層拍車がかかっている印象があるが、実際にそこで描かれているのは例えば関西が舞台でも
キャラが全員標準語だったりする。そのこと自体は否定するものではないけど。
 多くのアニメ作品における方言はその地方を特徴付けるためのものより、特定のキャラの
個性化のためであることが多いような印象。レギュラーキャラの中に一人だけ方言キャラが
いるようなパターン。
 そんな中、この作品は人間キャラの全員が京都弁というのが印象的で、少なくとも京都
らしさは出ていたように思える。
 他にも伏見稲荷を始めとする背景も同じく京都らしさがよく出ていたような。

 内容的には当初は癒し系のほのぼの作品かと思われたが、思った以上にシリアスな内容
だった感じ。
 平凡な少女である伏見 いなりが宇迦之御魂神より変身能力を手に入れる展開など、
「秘密のアッコちゃん」あたりから連なる変身魔法少女ものを思わせる展開。
 しかし、様々な問題を変身能力を使って解決しようとするも、返って問題を大きくしてまう
展開が多く、結局は本人自身の頑張りに頼らざる負えないのはストーリー的には良かったように
思える。結局、失敗をすることによっていなりが成長していくみたいな感じ。
 特に終盤の桃山 南の丹波橋 紅司へのラブレターを渡せなかった一件などは、現象面だけで
言い訳をすれば、「手紙が無くなってしまったために渡せなかった」と
言えるのかもしれないが、渡したくなかった自身の気持ちを考えて、「捨ててしまった」と謝罪
する態度はある意味立派。

 他にもいなりと墨染 朱美が互いが互いを羨む「隣の芝生は青い」的展開や、墨染と
丸太町 ちかの気まずい関係などが印象的で、特に後者はきっかけとなるような事件は何も
ないのに、「なんとなく波長が合わなそうだから」という理由はフィクション作品では
珍しいが、実際はよくあることである意味リアルかなあ。

 恋愛要素もいなりと丹波橋を始め、いくつかのカップリングが描かれるが、この辺は話数の
少なさのせいか浅いまま終わってしまい、ちょっと物足りなさを感じる。

 キャラに関しては割とステレオタイプの域を出ていないキャラがほとんどといった印象だが、
そんな中で宇迦様こと宇迦之御魂神が印象的。
 気品のある清楚な美人キャラかと思いきや、やたらとゲーム好きで、子供のような態度などの
ギャップ感が愛らしい。
 この宇迦と伏見 燈日の関係性だが、互いに恋心のようなものを感じつつも一歩踏み込んだ
ような展開はなし。互いに生きる時間がまったく違うことを考えると踏み込みたくても
踏み込めなかったのかな。そう考えるとちょっとせつないものがある。
 最終的にいなりが神通力を宇迦に返すことで、宇迦の姿を見ることができなくなった
いなりだが、元から宇迦が見えていた燈日はその後も宇迦が見えていたのだろうか?。

 全体的な印象は悪いところはないが、逆に際立って光るものもあまり無く、小さくまとまった
印象が強いかな。

投稿 : 2015/04/26
閲覧 : 326
サンキュー:

4

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