tao_hiro さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
シャレたタイトル
本の暗喩の一つとして「人生」をあげることができると思います。
その本が集められたところが図書館です。それも「大図書館」ともなれば、多くの人の「人生」が集まっている場所ですから、「世界」と言っても良いでしょう。
羊の暗喩としては「人」をあげることができると思います。聖書の教えで人のことを”かよわき仔羊たち”と表現していたりしますから。その”かよわき仔羊たち」を導くのが「羊飼い」です。聖書の教えでは、”預言者や指導者”のことを、場合によっては”主(神)”や”イエス”の事を「羊飼い」と呼んだりしています。
この作品の「羊飼い」と呼ばれる存在たちは、人の運命が記された本を読む事によって、その人の人生を、世界にとって良い方向に導くという使命を持っています。作品設定にピッタリな良いタイトルを付けたと思います。
この作品は、人の運命にはいくつもの分岐点があり、そこでの選択によって人生が変わるという世界観を持っています。たとえば、「学食でどの席で食事するか」と言ったちょっとした選択が、その人の人生を良くも悪くもすることになっています。
私はこういう世界観がとても好きです。ほんのちょっとの選択で人生が変わるって言うのは、恐ろしいようですが、とても前向きな考えだと思うからです。
実際、半世紀近くも生きていると「あ~あのときこうしていたらな~」とか、「あのときの事があったから今があるんだ」とか思う事がたくさんあります。
そして私の考えでは、一人の選択はその人の人生だけでなく、それに関わる人の人生を変え、そのまたその関わる人の人生を変え・・・というふうに連鎖反応を起こし、最終的には世界が変わる、と思ってます。
「どの席に座るか?」で世界が変わると思えば、ちょっとワクワクしませんか?・・・(笑)
さて、この作品自体は、ストーリー性重視の控えめなハーレムアニメって感じがしました。
ひょんなことで関わったヒロインの夢を助けるために行動する主人公の元へ仲間(女性)が集まってくる。みんなで色々な障害を克服していくなかで、羊飼いと言う存在の謎解きをする・・・てな感じでしょうか。
ストーリーは起承転結がしっかりしており、とても面白いもので、まとめもスッキリしていました。良作といって良いと思います。