ワタ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
この際順番無視していいんじゃないかな?(原作者様のお言葉)
萌え+SF。ラノベ原作。全14話。
放送当時の熱狂っぷりは本当に凄かった。自分もまんまと踊らされました。
普通のアニメにはない試み、様々な仕掛けがこの作品にはあるのです。
その代表的なものは、やはり時系列シャッフルでしょうか。
「涼宮ハルヒの公式」というオフィシャルファンブックに興味深い記事が載ってます。
構成を練る際に、「憂鬱Ⅵ」を最終回に持ってくるという構想がまず第一にあったそうな。
「憂鬱」のエピソードの完成度は高く、憂鬱Ⅵを最終回に持ってくれば確実に盛り上がる。
これが制作陣の本音であり、構成案として
・憂鬱をオリジナルエピソードを混じえつつ14話に引き伸ばす
・いろんな話を最初にやって最後に憂鬱をまとめて一気にやる
などの案が出たようですが、しっくりこない、と。そんな中、原作者の谷川さんが冗談半分で
「この際順番無視していいんじゃないかな?」
にしても、第1話に「朝比奈ミクルの冒険」を持ってくるのって流石にどうかと思ったものです。
他にも、ファンブックの記事でスタッフがこんなことを言ってました。
「もしハルヒがこの作品の監督だったらどうするだろう?ハルヒなら1話目に何をもってくる?
絶対に普通に始めるわけがない。なら自主制作映画『朝比奈みくるの冒険』しかないだろ、と」
何だか後付の理由な気がしないでもないですが、
クレジットにある「超監督 - 涼宮ハルヒ」ってのはこういうことだったんですね。
本作品における様々な仕掛け・試みは、話題性を出すという意味では大成功であり、
時系列シャッフルにしても一概に否定はできないものだと思います。
でも皆様方のレビューをざっと読んでみたところ、やはり時系列シャッフル、不評ですね(笑)
当時リアルタイムで見ていた身としては、各回ごとに各キャラの性格やキャラの関係性が
微妙に変化していて、そこに到るまでに何があったんだろう?
って想像する楽しさがあったんです。次にどのエピソードが来るかの予想で盛り上がったり。
もちろん当時から不評意見も多かったですけどね。
本作品は決して仕掛けることのみに重点を置いたわけではありません。
完成度の高いストーリー、高レベルの作画演出等があってこそ作品はヒットしたわけで、
地力のない作品にいくら仕掛けを施したところで空回りしてしまうだけでしょう。
仕掛けることに拘り過ぎてしまい、アニメ作りの基礎を怠るとどうなってしまうのか。
ハルヒ二期を見ればよく分かると思います。