karinchaco さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
事前の期待通り。青春部活動モノとしては上位にランクできるのではないだろうか。
ラノベ原作のアニメ。
京アニ作品の音楽系作品ということで「けいおん」を連想しがちですが、全くの別物。いわば、吹奏楽部をテーマにした青春系の部活モノです。
最終話まで視聴完了しました。
まずは、脚本の花田さんに謝らないといけませんね。序盤のレビューで不安とか言ってすみませんでした。あまりにも、前クールの艦娘たちの物語の構成が酷過ぎたもので…。原作有の作品だと上手くまとめあげるのをすっかり失念しておりました。
ということで、シナリオの筋がとても素晴らしかったです。久美子の成長というところに中心のスポットを当てつつ、部全体として全国大会に向けて前進していく王道のストーリーはさすがだと思いました。
過去にほかの作品のレビューでも書いたことですが、主人公の成長を対比で見せる作品というのは美しいと私は思っています。今回は、1話の時点では麗奈の涙の意味がわからなかった久美子が、後半に自分も同じセリフを吐きながら悔し涙を流すシーンは鳥肌ものでしたね。他にも、久美子と姉の関係性や、部内の吹奏楽に取り組む姿勢が前半と後半ではまるで違う様子だとか、数を上げるのが大変なぐらい。こういった部分は流石だと感服いたしました。
それと、もう一つ。久美子という主人公の設定です。こういった青春部活動モノの主人公は割といい子ちゃんが多いと思うのですが、この作品は、久美子をどこにでもいそうな普通の子として描くことに成功した点を私は評価しています。
経験者だけど上手さはそれなり。積極性があるわけでもないが、空気を読むことがそこそこうまい。といったキャラクター性は何かの意図をもってしないとなかなか生まれるものではありませんよね。
前述の成長の対比にもつながるのですが、そんな普通でちょっと意地悪な久美子だからこそ、成長の物語として描けたのかもしれませんね。
それを端的に表すエピソードが、部内で全国を目指すかどうかの挙手を求められたとき先輩であり幼馴染の葵ちゃんの件を気にして自分主張をはっきりと表現出来なかったのに、紆余曲折を経て麗奈と香織先輩のソロパートを決める再オーディションでの挙手に現れていると、私は感じました。
歴代の京アニ作品と比べても、1,2を争うぐらい私は好きです。あの引きですんで、是非とも2期をやってほしいですね。(売り上げ次第ということでしょうか)
理想は、2期で関西大会。劇場版で全国ってとこですかね。でも、原作がある作品なのでそれ次第ってことになるのでしょうか。どちらにしても、次の曲を期待してしまう素晴らしい作品だと思います。
以下は以前のレビューです。
3話視聴段階ですが、主人公の苦悩のポイントが同系統の作品とはちょっと違うところが見どころだと思います。
{netabare} 成り行きで中学まで続けていた吹奏楽部に入る主人公。別の楽器に挑戦したくても素直に言い出せなくて結局ユーフォニアムを続けることになったり、中学校でちょっと苦手だった部活仲間も同じ高校に進学、吹奏楽部に入部。話しかけるタイミングを逸してぎこちない感じになってしまとか、顧問の指導方法がマイルドなのにえげつなかったりと、{/netabare}悩ましいフラグがそこいらに散りばめられています。
序盤から非常に期待できそうな感じをしているのですが、一抹の不安があるとすれば脚本が花田十輝さんということかな。展開ありきでシナリオが強引になってキャラ崩壊というやらかしが稀にみられるのでね。ただ、シュタゲや境界の彼方のように上手にシナリオをたたんだ作品もあるので杞憂に終わればいいのですが。