STONE さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
中二病と恋の両立
原作は未読。
1期では小鳥遊 六花の中二病を父の死をきっかけとする現実逃避として扱い、それの肯否を
問うようなシリアス展開があったが、本作ではそういったものはないため、ここでの六花の
中二病は自身の楽しみのため、もしくは恋愛面での照れ隠しとして使っている模様。
しかし、六花などはあくまでキャラ設定をして演じているのを自覚しているようだが、
凸守 早苗になると4話や8話のようなモリサマーの真偽を巡るような展開を見ていると、この
娘は中二病を通り越して、魔法などを本当に信じているビリーバーなのでは?という気も。
テーマとしては中二病と恋愛の両立に焦点を当てた感じで、そういう意味では本作の方が
1期よりタイトルに相応しいのかもしれない。
この両立という点で六花と比すべき存在として登場したのが新キャラの七宮 智音で、両立を
図ろうとする六花に対して、自らの設定を守るべく恋を捨てた七宮といった図式。
登場時は六花のライバル的存在かと思われた七宮だが、富樫 勇太と六花の恋を応援する
いい娘。自ら自分の恋に訣別するその態度は潔くも切ない。
勇太と立花の恋に関しては二人の性格的なこともあって、なかなか先に進まないが、この
奥手な二人が勇気を出して少しずつ進んで行く過程は微笑ましくも好ましい。
個人的には恋に関して、次の段階に行くともう後には戻れない感があるので、回りの意見に
踊らされず、このまま二人なりのやり方で恋を育んでいってほしいなと思ったり。
それにしても「極東魔術昼寝結社の夏」を始め、クラスメイトなども含めて、この二人の恋を
応援する空気に満ちており、なんとも優しい世界。
まあ、丹生谷 森夏はもはやおせっかいおばさんのような領域に突入している感があるけど。
全体的にはシリアス要素が減った分、良くも悪くもコメディ色が強くなった印象。
ただ、コメディとしての展開も弾けているわけでもなく、1期に較べて無難な作品になって
しまった感はあった。
どちらかと言えばキャラの魅力で持っていっている印象が強いが、やはりキャラの見せ方は
上手いなと思う。