HINAKA さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 1.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
TVアニメ・シリーズ『PSYCHO-PASS(サイコパス)』で見るベテラン声優(榊原良子)の見事な演技力!
話題というのは他でもない、第17話「鉄の腸(はらわた)」に登場した、公安局局長。
禾生壌宗(かせい・じょうしゅう)の声を演じる、榊原良子氏の声の演技力に、関してです。
事実上、ほとんどの部分が会話劇で構成され、それも確信的犯罪者槙島聖護(まきしま・しょうご)役の、櫻井孝宏氏と公安局局長禾生壌宗(かせい・じょうしゅう)の声を演じる、榊原良子氏との、会話劇の盛り上がりが、この回の物語の全てだと思います。
実は最初から、この配役に疑問を持っていました。確かに、大御所というか黒幕というか、主役クラスよりも飛び抜けた存在や、ナレーションにベテランを配して物語を引き締める。というやり方は、ある種正道です。
しかしこの『PSYCHO-PASS(サイコパス)』という物語の、主人公達の上司に、榊原氏との格差は、極端に過ぎる。と、思えたのです。
ですが、この場面でその疑問は、見事に氷解しました。
確かに対局に位置する、確信犯的犯罪者としての役どころを演じた、櫻井氏の声の演技とは、この場合ある種の対極関係が、あると思います。もちろん櫻井氏の、何があっても感情的にならない、常にフラットで冷静で平静な、声の演技はその声質共にここでも大いに重要です。
ただし、役柄は首尾一貫していて、その意味では彼(槙島聖護)はこの場面で、常に彼自身であり続ければ良いのです。
しかしこの場面に於ける、公安局局長の役柄はこの物語の核心へと結び付く、実に重要で複雑な声の演技力を、必要とされます。
それは、榊原良子氏が演じる、公安局局長禾生壌宗(かせい・じょうしゅう)の人格が、1人ではなかった!それもタダの多重人格というようなモノではなく、性別も年齢も全く異なる人物の、過去と現在とそして本来置かれている、極めてSF的な特殊状況状況下に、奢りに満ちた《神の立場(マサに榊原演技の真骨頂!?)》を、この演技だけで演じ分けるのですから、その実力は充分承知ながらも、呆然です。
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