「TARI TARI(TVアニメ動画)」

総合得点
88.5
感想・評価
4479
棚に入れた
20720
ランキング
109
★★★★☆ 4.0 (4479)
物語
3.9
作画
4.1
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.0

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ネタバレ

スーパースラッガー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

永遠に語り継ぎたい最強の傑作☆奇をてらうことなく、まっすぐに青春を描き切った制作陣の方々に拍手!

普段からジャンルにはこだわらず、「面白い!」と思ったアニメ作品ならなんでも観ている私でありますが、とりわけ大好きなのが青春を描いた作品です(ちなみに、小説や映画などもそういう題材のものが好きです)。
青春時代がだんだん遠くなっていく一方の私ではありますが(涙)、おそらく白髪のおじいちゃんになっても「青春もの」が好きだというこの傾向はずっと変わらないのではないかと思います。

本作『TARI TARI』は青春ものが大好きな私をして「最強の傑作」と言わしめるほどの超傑作だと思います☆

その素晴らしさの第一として挙げたいのは、奇をてらうことなく、まっすぐに、そしてシンプルに青春を描いているということです。
お話の中にあっと驚くような仕掛けや超展開、強めの萌えやキュンキュンラブなど、最近のアニメ作品によくある要素がほとんどないので、派手さや強い個性のようなものはあまり感じませんが、その分、作品全体から「青春」というテーマと真面目に向き合っている雰囲気がしっかり伝わってきます。
キャラクター設定にも物語の進め方にも無理がなく、時にはちょっとした笑いを入れながらも、丁寧かつテンポよくお話が進んでいくので、観ているほうは置いてけぼりを食うことがなく、1話1話をじっくり味わいながら作品に入り込んでいくことができます。

また、メインの登場人物が魅力的であるということは良い作品たりえる最大条件の一つですが、本作もその例にもれません。
本作のメインを張るの5人の少年少女は、全員が愛すべきキャラクターです。
みんなそれぞれに得意だったり好きだったりする分野があって、またそれぞれの胸に抱えているものもあって、等身大の高校生として5人全員に親しみを感じることができました。
{netabare}少し不器用なところがあるけれど、純粋で優しい心を持った少女である和奏・・・仲間との出会いを通して、音楽とお母さんへの思いを再確認できて本当によかったです。お母さんの親友でもあった教頭先生とは、一生のお付き合いになりそうな予感ですね。
身体は小さいけれど超人的なバイタリティを持つ、ムードメーカー兼チームリーダーの来夏・・・まぶしいほどの輝きを持つこの子がいなければ、物語は始まらなかったし、進みもしませんでした。第1話では、彼女がこの作品の主人公なのかと思うほどの強いオーラを放っていましたね^^
いつも凛としていて、自分の意思や目標をしっかり持っている、ハイスペック少女の紗羽・・・一見強そうに見えるけれど、実は繊細な部分もたくさんあって(結構涙のシーンも多かったですね)、その人間味が魅力でした。最終話の空港のシーンで田中と交わした会話の内容が知りたいです。
バドミントンに情熱を燃やす熱血少年の田中・・・見た目的にもなかなかいい感じなのに、結構ないじられ役で、いつも笑いをもたらしてくれました。紗羽への淡い思いに気づいてからの言動がほほえましかったです(紗羽のかわいい写真をこっそり携帯の待ち受けにしてましたね♪)。
素直な性格の帰国子女で、特撮ヒーローが大好きなウィーン・・・彼は部の潤滑油的な存在でしたね。みんなで煮詰まりそうになったとき、彼独特の機転のおかげで衝突が回避されたこともありました。おとなしそうでいて、実は心に熱いものも秘めているところも◎です。{/netabare}

次も登場人物の話ですが、本作には魅力的な大人キャラが数多く出てきます(学校の理事長さんはちょっとアレですが・・・笑)。
子どもたちのことを大切に思っている、愛情が深くて心優しい大人たちですが、それでいて決して甘いだけではありません・・・時には彼らの行く手を阻む壁となって立ちふさがり、人生の厳しさを教えることもあります。
{netabare}物語終盤まで合唱部の活動に正論をもって反対し続けた教頭先生(高倉直子)、商店街の夏の音楽イベントの出場枠を譲ることは嫌だとはっきり言ったコンドルクインズ、娘の夢(騎手になること)について激しく反対する紗羽のお父さんが、とくに印象的でしたね。
でも、彼らの言動にはそれぞれ一本筋が通っていて、子どもたちへの愛情に基づいたもので、決して子どもたちに意地悪をしようと思ってそうしているわけではないというのが、作中でしっかりと丁寧に描かれています。
あれだけ紗羽に対して「わからずや」的な態度をとり続けていたお父さんが、娘を想う気持ちが暴走して、競馬学校にものすごい剣幕で抗議の電話をかけていたシーンでは思わず泣いてしまいました・・・あそこで紗羽がすぐに「お父さんありがとう」ってならなかったところが、ちょっと悲しいけどリアルでしたね(でも、最終話では紗羽とお父さんとの関係が良くなっていることをほのめかすシーンがあって安心しました^^)。
また、最初の印象だとあまりパッとしなかった和奏のお父さんのさりげない優しさや、事なかれ主義的性格と思われた校長先生が最終話で理事長に見せた意地の抗議、高校受験を控えた和奏に最期まで病気のことを隠していたお母さんの思いやりなど、本当の意味での大人のかっこよさや、あるべき大人の生き様などが、この作品ではたくさん見られました。{/netabare}

そして最後に、本作は合唱を題材にしたお話ですから、音楽にもふれたいです。
OP曲・ED曲はもちろん、挿入歌、BGMに至るまで、本作はさすが音楽を前面に押し出した作品だなあと納得できる楽曲にあふれています。
AiRIさんのパンチの効いたパワフルなボーカルと明るく前向きな歌詞が印象的なOP曲『Dreamer』、メイン5人のCVを担当する声優さん(高垣彩陽さん・瀬戸麻沙美さん・早見沙織さん・島崎信長さん・花江夏樹さん)が歌うさわやかなED曲『潮風のハーモニー』、挿入歌では、第1話で来夏ちゃんが人目もはばからず元気いっぱいに歌っていた『goin' my way!!』、和奏のお母さん・まひると若き日の教頭先生がいっしょに作ったという『心の旋律』、そして最終話を飾った和奏とお母さんの合作曲『radiant melody』がとくに好きです。
あまりにも音楽が素晴らしすぎるので、楽曲CDはすべて揃えてしまいました☆
ついでに言うと、楽曲とともに流れるOPとEDの映像が実に素晴らしいです。
OP映像では、5人が走っているシーン(先頭を切って走りだした来夏ちゃんが転びそうになって、あわてた和奏と紗羽に手をとってもらうあたりが実にかわいい!)と、若き日のまひる母さんと教頭先生が校舎で戯れるカットがとくに好きです。
ED映像は、中盤までは物語での登場人物たちの関係にリンクして、5人の立ち位置や動きが少しずつ変わってくるという凝ったつくりになっています・・・和奏がなかなかみんなの輪に入ってこないのがもどかしかったので、入ってきた時はうれしかったなあ☆・・・そして来夏ちゃんが、小さい子どもみたいに足をゆらゆらしている仕草がかわいくて好きです^^

語れば本当にきりがないほど大好きな作品『TARI TARI』。
BD全巻と楽曲CDのほかに、コミカライズとコンプリートガイドブック、果ては来夏ちゃんのフィギュアまで買ってしまって(来夏ちゃんホント好きなんですよね~笑)、半端じゃないハマり方をしてしまいました^^;
でも、BDを観返すたびに毎回しみじみと思います・・・「この作品に出会えて本当に良かった。本当にありがとう」と。
何か新しいことを始めてパワーをもらいたい時、ちょっと落ち込んで元気をなくし気味の時、「白浜坂高校合唱時々バドミントン部」のみんなに会いたくなった時・・・きっと私はこれからも何度も『TARI TARI』を観返すことでしょう☆
『TARI TARI』最高!!!!!

投稿 : 2015/04/18
閲覧 : 281
サンキュー:

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