Kuzuryujin さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
初号ラッシュフィルムの時点で170分の尺、
断腸の想いでカットしても劇場公開時138分の大作になった
原恵一監督&脚本の渾身の入魂作。
初めて観たのは、何気に借りたレンタルDVDで2008年頃。
原恵一と言えばクレしんの劇場版の黄金期を生み出した監督という
知識はあったものの、当時は特に注目していたわけではありませんでした。
しかしこの作品に出会い、他の同監督作も立て続けに観た思い出があります。
観始めはキャラデザがリアル志向で、アニメらしくなくダサいなあ、
次に、妹の園児らしい立ち振る舞いに、うまい演出だなあ、
なんて思ってるうち、作品に引き込まれた。
滅多なことでは泣かないほうですが、
河童のクゥと小学五年生の主人公、康一にものすごく感情移入してしまい
これは後半、切なくて切なくて涙が止まらなくなりました。
2時間を超える尺は伊達じゃない。
人間の持つ醜さとクゥの初心な純真さの対比がお見事。
メッセージ性もしっかりあり大人も子供も楽しめる。
丁寧かつ作り込み練り込まれた脚本と演出、
絵コンテの素晴らしさがある作品です。
以下はラストのネタバレあるので未視聴の方は読まないで下さい。
{netabare}
「父ちゃん、ごめん。俺…、人間の友達ができたよ。」
別れは切なくても希望を感じさせる。
大自然に抱かれたような
暖かい余韻とクゥの物語の新章を感じられたラストでした。
クゥが本当に救われたのは犬や他の妖怪のおかげ。
康一ひとりだけでは無理でした。
クゥ以外の妖怪は座敷童と沖縄の妖怪キジムナーの二体が出てきますが
それがまたとてもいいんですよねぇー。
元捨て犬で苦労犬オッサンもとても大きな役割があり、
この物語には絶対に欠かせないです。
{/netabare}
これは幅広い年代に、そしてアニメを普段観ない層の方々にも熱烈オススメ!!