runa21 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
月の光
ドビュッシーの「月の光」という曲があるのですが、
軽やかな音なのに、どこか物悲しい雰囲気を備えている曲なんです。
そんな複雑な曲なのに、ささやきかけるような優しさを併せ持ち、
とにかく美しい曲なんです。
そんな曲が流れたのが、
椿と公生が月明かりのもとで、ピアノを弾くシーンです。
椿が公生に対する自分の気持ちを自覚したけど、
いつも近くにいた彼は、もう別の人を見つめていて・・・。
何も告げなければこのままでいられるけど、
彼女ではなく、自分を見てほしいという
椿の複雑な心境をすっご~~~~くよく表してました。
あの瞬間でこの曲流れたときは、
反則だよなぁって思いました。
ドビュッシーは人妻に恋をしていて、
その時にこの曲を作ったといわれていますが、
こんな曲送られちゃったら、惚れちゃうよね!!
芸術家という人種は本当に反則です。
曲で、自分の気持ちや心情を
すぱーーーーん
っとダイレクトに伝えてしまいます。
本当に反則です。
だからこそ?それゆえに?
彼らはとても繊細なんです。
曲を作ってしまうほど、彼らは気持ちをぐらぐら動かされます。
ピアノを弾くことで「伝えて」しまう彼らは、
世間一般の人よりも、感情が多彩な人たちなんです。
特に天才と言われていた有馬公生はとても繊細です。
ピアノを閉ざしていた彼の世界は単一だったけれども、
宮園かをりと出会った後の彼の世界は
とてもカラフルで、それは彼の感情が動いていることを
表しているのではないかと、勝手に思ってます。
だからこそ、この物語がカラフルで
とてもきれいに見えるということは、
有馬公生が、
世界をそういう風に見ているのではないかと・・・
勝手に・・・思ってます。