ワタ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
誰しも救いは求めている
過剰なグロとエロ、萌え萌えなキャラデザなどで敬遠されがちな作品ですが、
見続けていくと、そういった表面的な要素はあまり気にならなくなり、
ストーリーに目が行くようになると思います。色々考えさせられるお話です。
この作品には様々なテーマが盛り込まれています。
いじめ、差別、種族対立、救済、狂気、嫉妬、純愛、家族、友情・・・
これだけのテーマ、それに基づく人間ドラマを13話という短い話数で描こうとしているので、
幾つかは消化不良で終わってしまい、そこは残念に思います。
しかし総じて出来は素晴らしく、感情を揺さぶられること必至な作品です。
劇中でもよく流れるOPテーマ「LILIUM」のメロディが非常に印象的で、頭から離れません。
小道具の使い方も秀逸でした(貝殻、オルゴール、古時計など)。
劇中の、多くの意味ありげな台詞などの真意は、後半に解き明かされます。
故に、観終わった後にもう一度最初から見るとまた印象が変わってくると思います。
初見では衝撃的でしかなかった1話冒頭の殺戮シーンでさえ、見方が変わるのではないでしょうか。
以下、印象に残った台詞抜粋
ルーシー「自分が不幸だから、自分より不幸なものが必要なんだろ」
蔵間「後悔など、過去を振り返る権利がある人間のみ、許されるものだ」
他にもたくさんありますが・・・。
最後に、本作品の監督である神戸守さんの言葉を引用して締めさせて頂きます。
「この作品は表面的にはお色気、ラブコメ、バイオレンスだが、本質は差別と救いであろう」
「誰しも救いは求めている」