どらむろ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
『ARIA』スタッフによる名作シリーズの原点。カメラに写る、竹原の風景と優しい思い
瀬戸内の広島県竹原市を舞台に、写真好きな少女・沢渡楓(さわたり・ふう、通称「ぽって」)と友達の少女達が、ゆっくりと優しい時の中で仲良く過ごしたり、おぼろげな夢を語ったり。
名作「ARIA」のスタッフが中心となって製作された、ハートフルな少女達の日常系&成長ストーリー。
全4話。
本シリーズは続編のTV放送版1期1話~2話の間のエピソードなのですが、先に1期「たまゆら〜hitotose〜」(たまゆら・ひととせ)を視聴後の方が、より本作に感情移入出来る気がします。
本作も不朽の名作の原点に相応しい素晴らしい内容なのですが、特に波乱や事件は無いので、退屈に思う人にはとことん不向きかも。
…でも、間違いなく名作級ですよ!
{netabare}『物語』
主人公の沢渡楓(かえで、ではなくて、ふう。通称「ぽって」)は写真大好きな女の子。
大好きなお父さんが5年前に亡くなっており、父も好きだった写真をきっかけに、友人や年長の女性達に導かれるように、父の優しい思い出を見つけていく…。
シリーズ最初の本作では、まずは主要キャラの紹介がメインでした。
4人とも個性的で、少女達の日常系アニメとしても十分面白いです。
(まあ、萌えアニメとしては、退屈かもだが…)
「ももねこ様」という不思議生物も登場、本シリーズの雰囲気醸成には欠かせません!
主要な登場人物たちが織り成す、当たり前の日常。
優しい雰囲気。
それを「退屈」と思うか「何かいいな~」と思うかは人それぞれ。
…または、その時の気分次第かも。
のりえちゃんの、香(こう)ちゃん(ぽっての弟。美少年ショタ)萌えを、微笑ましいと取るか、うざいと思うかも人それぞれw
ぽって以外の少女達は本作ではまだ見せ場少ないのですが、1期のhitotose視聴後だと、印象が変わります。
かおたんの「ポプリ(香りの袋)作り」
のりえちゃんの「お菓子作り」
まおんちゃんは…まだ漠然としている
この時はまだ非常に漠然としていたけれど…
振り返ると、ああ、この時からみんな夢に向かって、ゆっくりと歩き出してたんだなぁ~、と感慨深いです。
後半2話から、写真をきっかけに亡き父の思い出を探す展開に。
ぽってが憧れている写真家の志保美さん、かおたんの姉のさよみさん、二人の女性の導きで(さよみさんは結構強引に)ぽってと少女達が瀬戸内の美しい風景を堪能したり、優しい時の中で父の気持に触れたり。
日常系ストーリー…からの、ハートフルな気持ちにさせてくれる良エピソード揃ってます。
…ハートフルなんですが、さよみさんの運転だけは怖かった!
Anotherなら10回位はしんでますよこれw
総じて
この時点では「竹原と瀬戸内の街々を舞台にした、ゆったりとした日常系」
ゆっくりと、じんわりと、人々の温かさや楽しい思いが伝わってくる。
…シリーズの時系列的には、実は「たまゆら〜hitotose〜」視聴後の方が、より深く感情移入出来る気がします。
本OVA4話のみでは説明不足なので。(よって物語評価は4点)
でもでも、それでも、それだからこそ、竹原の優しい雰囲気や人々の思いを、想像出来て、結構心が温まるのです。
TVシリーズ1期2期、そして劇場版も全部視聴した後で、再び本作も見返してみると、きっともっと良いと思います。
『作画』
キャラ作画は萌え寄りよりも、ジブリやNHK教育寄り?
でも、ぽって初め少女達は十分可愛い!
ギャグ顔の崩れも本作の緩い雰囲気に一役買っているので良し。
全般に、優しく温かい気持ちになれる、良作画です。
竹原を中心にした瀬戸内の美しい風景をしっかりと描かれており、竹原に行ってみたくなります。
素晴らしいのですが、本作ではまだ抜きん出て感動!とまではいかないかも。
シリーズ進む毎に、作画も向上していきます。
『声優』
ぽっては竹達彩奈さん。近年多い勝気な妹キャラではなく、かなりほんわかとした大人し目な印象。
こういう竹達さんも良い感じです。
かおたんの阿澄佳奈さん、のりえちゃんの井口裕香さんも実にはまり役。
まおんちゃんの儀武ゆう子さんは、本作まおんちゃんも代表役の一つでしょうか。
宮本佳那子さんのショタ美少年も中々。ドリランドのミコト姫の人ですね。
配役は非常に優秀かつ豪華で、ぽって母の緒方恵美さんはアニメの母親キャラには珍しいタイプの深みのある良き母親らしさ出ていたナイスキャイテング!
マエストロの中田譲治さん、ステキなおじ様やらせたら一品級ですな。
志保美さんは葉月絵理乃さん、ARIAの水無灯里の人。
第二のARIAとも言うべき本作に相応しいキャストかも。
『音楽』
OPはかの名曲「やさしさに包まれたら」
荒井由実さん(ユーミン)の曲を坂本真綾さんがカバーしており、本作の雰囲気にマッチしてます。
魔女の宅急便のイメージが鮮烈ですが、たまゆらにも超合ってる!
ED「メロディ」「夏鳥」
挿入歌「ナイショのはなし」
そしてBGMも竹原と瀬戸内の温かい雰囲気伝えてくれて素晴らしい。
たまゆらシリーズは楽曲も非常に良いです。
『キャラ』
ちっちゃくて引っ込み思案、写真大好きなぽって可愛い。
友達は、まだこの時点では印象薄め。
かおたん、のりえちゃん、まおんちゃん。
彼女達のエピソードが明かされるTV1期2期を視聴後だと、ぽってに負けないくらい可愛くて良い子達だと分かります。
ショタ萌えなのりえちゃんは、ちょっとうざいw
弟の香ちゃんは…うん、確かにこれはかわいいな!
お母さん、お婆ちゃん、ほぼろさん、マエストロ、彼ら大人達の魅力も高し。
本作特有のゆったりとした優しい雰囲気はこの人たちあってのもの。
志保美さんはぽってにとって憧れの人物だけど、彼女の魅力もやはりTV1期2期でより分かります。
さよみさんも含め、夢に迷い中のぽって達の背中を押してくれる先輩の存在が大きい。
おっと、モモネコ様も外せません。何者なんだ、この生物は!?
…振り返ると既にどのキャラにも愛着湧いてますが。
本作の時点ではまだ本領発揮してないので、4点です。
本シリーズは、シリーズ進む程に更に良くなってきます!{/netabare}