Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
種の本能のまま、生きるために寄生する・・・でもそれって・・・
この作品は原作既読ですが、原作を見たのはだいぶ前なので、内容はうろ覚えでした^^;
でも「新一」と「ミギー」の関係だけはハッキリ覚えています。
今、何故「寄生獣」なのかは不明ですが、この作品のアニメ化の発表に懐かしさを覚え、視聴を楽しみにしていました^^
ある日突然空から未知の生命体が飛来し、生物の体内に入っていきました。
この寄生生物は能の制圧に向かうのですが、どこまで入っていくかは個体差や状況差がによって様々・・・
この作品の主人公である新一にも寄生生物が入っていくのですが、右手までしか制圧できませんでした。
こうして寄生されたパラサイトと人間との共存の物語が動いていきます。
パラサイトが人を殺しまわるので物語は序盤から結構グロいです^^;
そのパラサイトの思考・・・というより脊髄で反射している、といった表現の方が正しいのかもしれませんが、単純で唯一個体の存続のみを最優先にし、その過程で邪魔になるモノは退ける・・・そこには思想も感情も統率ありません・・・
そう考えると、力は強く素早く殺傷能力が極めて高いパラサイトですが、知能はそれほど高いとは言えないと思います・・・
でも、ここからがこの作品の真骨頂です。
人間は失敗と経験を繰り返して進化します・・・
それはパラサイトも一緒なんですよね^^
脳を制圧しているため、人としての感情は持ち合わせていませんが、人間と共存していく上で彼らなりに吸収するモノがあったのでしょう。
特に集団で統率がとれるようになったことは、彼らにとって極めて大きい進化だったのではないでしょうか。
一個体としての身体能力は高いが思考が短絡的であるため、2の手3の手や応用には不向き・・・
でも集団となり、お互いの過不足が補えるようになったら・・・最強の殺戮集団の出来上がりです^^;
人間とパラサイトの差って何だろう・・・
それは進化に要する時間の差だったのではないでしょうか・・・
これまで人間は地球上で失敗と経験を数限りなく繰り返してきました。
だから進化することに対する抵抗はなく、むしろそれが自然・・・
一方、ある日突然右も左も分からない地球にやってきて、未知の生物を制圧・・・するまでは良かったのですが、文明、文化、そして感情と彼らにとっては知らないことばかり・・・
そう考えると、パラサイトの方が地理的に圧倒的に不利だったのだと思います。
田村玲子の台詞「そんなに私達を虐めるな・・・」は強く印象に残っています。
彼女は身体的能力だけでは限界がある事に気付いていたのかもしれません・・・
だから真剣に共存の道を模索していた・・・
そして彼女が赤ん坊に取った行動・・・人間の母親そのものでした^^;
パラサイトは救いの手を待ち望んでいたのかもしれません・・・
ですが、それを断ち切ったのは人間でした・・・
食物連鎖の関係しかり・・・
強いては私達人間だってこの地球に寄生しているというのに・・・
ありのままを受け入れる・・・という能力においては、人間よりパラサイトの方が優れていたのかもしれません。
オープニングテーマは、Fear, and loathing in Las Vegasさんの「Let Me Hear」
エンディングテーマは、三浦大知さんの「IT'S THE RIGHT TIME」
オープニングにチャレンジしようと思いましたが、声のキーが合わず断念しました^^;
2クール24話の作品でしたが、物語としてしっかり纏められていて良かったと思います。
物語の途中でアニメが終わってしまう作品が多い中、完結してくれた事に感謝です^^
個人的には君嶋 加奈ちゃん(CV:沢城みゆきさん)にもっと活躍して欲しかったかな^^;