zu さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
届くかな?届くといいな……君が好きです!!「小説の四月は君の嘘「6人のエチュード」読んだので追記しました。」
「14歳の春―僕は、君と走りはじめる」
からっぽになった少年が一人の少女と出逢う。
少女の自由で情熱的な音楽の調べが、少年の止まっていた時間を突き動かす。
11歳の冬―早熟の天才ピアニスト・かつて国内外の数々のピアノコンクールで優勝し、指導者であった母から厳しい指導を受けて「ヒューマンメトロノーム」とも呼ばれた神童「有馬公生」は、母の死のきっかけに、ピアノの音が聞こえなくなってしまい、公生は次第にピアノから遠ざかっていく。
ピアノと母親を失った彼の日常はモノトーンのように色をなくしてしまっていた。
そんなある日、公生を子供の頃から見てきた幼なじみ澤部椿は、あるクラスメイトを紹介する。
クラスメイトの名前は宮園かをり。
彼女はコンクールに出場するヴァイオリニストだった。
楽譜を超え、自分なりのスタイルで課題曲を演奏するかをり。
その奔放な演奏を見て、モノトーンだった公生の世界がカラフルに色づきはじめる。
「暴力上等、性格最低、印象最悪……でも、彼女は………美しい」。
音楽が導くボーイ・ミーツ・ガール。情熱的なヴァイオリンの響きが、凍りついたピアノを融かしたとき、2人は豊かなハーモニーを奏でるのだ。(公式サイトのあらすじにちょっと加筆してます)
この作品はイシグロキョウヘイ監督が映像にはかなりこだわりがあり注目して欲しいのは、楽器の演奏シーンと光と色彩により、キラキラと輝く青春時代をカラフルでポップな映像表現にしたことだそうです。
特に演奏シーンは実際の演奏をさまざまな角度で撮影し、それを参考にアニメ化していったのだそうですが、実写映像をただなぞるのではなく、アングルを変えたり、カメラの動きを加えたりしたため、その作業量は通常の5倍位になったとか…
それだけの手間を掛けて書き込む事で、キャラクターが本当に楽器を弾いているかのようなリアリティや迫力を追求したとのことです。
それと、光と色彩の演出
木陰などははっきりとした形の影にしないで、光がちゃんと透き通ってより淡い形で影を溶かし込むような雰囲気の背景に仕上げたそうです。
また、実写でやるよりも、元々この世に存在してない「絵」にリアリティを与え事で作品が心に残ることが多いというイシグロ監督の考えで妥協の無いこだわりの作品だという事前情報を知った上で視聴を始めましたが、驚くほど綺麗な作画(背景)に…おぉ~納得でした!!
光と影の演出でなるほどなぁと感じたのは、2話の藤和音楽コンクールで演奏後に公生の感想を聞いた後、かをりが光の中に走り込んでいったシーンは綺麗だった。
また、21話の病院屋上で、かをりが「君がわたしに」「君といる時間への未練をくれた」の回想シーンでのかをりが振り返ると光の中にいる公生の姿の演出は、かをりには公生が輝いて見えてたんだなぁと印象的だったな。
原作が月刊少年マガジンで連載していた漫画だとは知っていたけど、内容的にこれが少年誌なのかとちょっと意外だったなぁ!
ギャグと椿とかをりの暴力的描写
コミカルでギャグ的なシーンを入れる事で、演奏シーンやシリアスなシーンとのギャップになっていて内容が重い話に行き過ぎないようにバランスが取れていて、それがいい刺激になり飽きなかった。
2人のヒロインかをりと椿の暴力的な描写も公生が大人しいので、男の子が好きな女の子にちょっかいを出すのと逆の演出だったのでは無いのかなぁって感じたけど、少年漫画が原作なので、この暴力的な演出には自分は、気になりませんでしたが、このあたりは「好み」がわかれるところだと思います。
主人公の有馬 公生を取り巻くキャラクター達の個性や関わり方が素晴らしく良かったと感じたなぁ。
「四月は君の嘘」というこの作品は、「公生とかをりの物語」が中心にあるのは間違いないと思うのですが、
幼馴染の澤部 椿と渡 亮太と柏木 奈緒
ライバルの相座 武士と井川 絵見
公生の母 有馬 早希と瀬戸 紘子
武士の妹 相座 凪
などのこの作品の登場人物の分だけ物語があり、その登場人物達が主人公「有馬公生」との関わり方の物語でもあったと感じたし、公生にとっては、単にかをりとの物語であるだけでなく、母親の記憶と向き合い、母親の幻の呪縛(トラウマ)から解放される物語でもありました。
ただ、このトラウマのシーンの描写に時間を使い過ぎてストーリーのテンポを悪くしてたのがちょっと残念だったかな。
最終話を観た後に印象の変わる 宮園 かをり
かをりの「嘘」を知ったうえで1話からの物語を見返すと彼女が活発に振舞っていたり、公生に対する接し方の印象が随分と変わりました。
1話の桜舞う中で初めて公生に会った時のピアニカを片手に涙を流すかをりのシーンですね。
これは最終話を観て思ったんですが、あの涙は決して強く吹きすぎたせいではなくて、やっと憧れていた公生と接触できた感動と残された短い時間にやっと公生と共に演奏が出来る事に第一歩を踏み出せた希望の涙だと感じました。
君嘘はちょっとした時の微妙な表情の変化とシーンごとに印象が強く残るのも特徴ですね!
ライバルとして出てきた相座 武士と井川 絵見の扱いもしっかりとしていた。
8話の絵見が舞台に向かって行く時の指の動きだけで、気合いが入っているなぁと感じさせられた。
椿との砂浜のシーン(よく知ってる稲村ケ崎が背景だったのもあるんですが)も綺麗で印象深かった…
武士の妹 凪との「くる学祭」での協演後に公生に対して凪の「ありがとうごじぇいます」ところも良かった。
やはり、21話から最終話は全てが印象的だったなぁ!
病院の屋上でかをりの死に対する本音の告白
演奏が始められなかった公生に「くしゃみ」でキッカケをくれた椿、それまでに自分に関わってきた人達に対しての返事の想いを演奏していた公生に割り込んで入ってきたかをりとの協演も幻想的だった。
かをりが居なくなった後の日常のシーンでの椿と柏木のやり取りでは、柏木が良い事言ってたな!
かをりからの手紙に対する公生のやり取り手紙を読んでいる時の公生の何とも言えない表情の変化も素晴らしいと感じたが、終盤の手紙との会話も公生らしいものだった。
手紙を読み終えた時に踏切を境に向こうに行ってしまうかをりに対して、公生の方に向かってに来た椿が「1人なんてなれると思うなよ…」のセリフ後、公生の何とも言えない表情表現がとても上手いと思った。
そして、やっぱりかをりは公生が好きだったんですね。5歳の時に公生を見てからずーっと憧れのピアニストだったなんて…
公生に伴奏してもらいたいがためにピアノ弾きからヴァイオリニストへ転身するとは…
一途な男の子が好きって言ってたけど自分も一途だったんですね。
今回の君嘘という作品は、トラウマからピアノを離れた公生の再生の物語という名の序章が終わり、本当の物語はここから始まる感じがしたなぁ!
原作と共に綺麗に終わってしまっていますが、出来ることならどんな形でも、この作品の登場人物達の今後が、公生のピアニストとしての道、幼馴染との関係、ライバル達とのこれからの成長などが、もっと観たい。
観終わった後にこう思えるのはこの作品が本当に自分にとっては、とても良い作品だったいう事なのだから!!
後期のOPの最期にピアノの上に乗っていた手紙は、かをりからの手紙だったんだろうなぁ!!
小説の四月は君の嘘「6人のエチュード」読んだので追記です!
主要登場人物から見た、公生像の話で本編で語られなかったサイドストーリー!!(6人となってますが、書かれてる視点は5人なので、語られてる公生を入れて6人になっています)
プロローグ♪君は弱虫だ 宮園かをり
♯1♪有馬はヒーローだ 相座武士
♯2♪有馬は嘘つきだ 井川絵見
♯3♪公生は優しすぎる 澤部椿
♯4♪公生は男なんだ 渡亮太
エピローグ♪君はすごい 宮園かをり
アニメ本編で出てきた、かをり、武士、絵見、椿、渡、この5人の公生に対してのエピソードを掘り下げ補足して、隙間を埋めてくれる1冊でした。
特に椿と渡の2人が公生を想う気持ちがしっかりと語られているのは良かったと思います。
ただ、アニメを観てしまってからだと、演奏の描写を文章だけでは、どうしても音楽としての表現が物足りなくなってしまうのは、ちょっと残念ですが、君嘘が好きな方は、読んでみるのも良いのではないのかと…
余談です!!
作品中に出てきていたかをりが好きな「カヌレ」をたまたま見つけたので(君嘘の効果なのかな)買ってしまいまいたw
感想は、大きさ割にはずっしりと重く、サクッと食べるには、少し温めたほうがいいようですw
それを知らなくて、冷たいままいきなりガブッといったら、食感はガリッムニュでした。余りにも冷え切って硬くなっていたようで、口の中が切れました(^_^;)
一気に4つも買ってしまったので、残りは少し室温に馴染んだ時に食べたら、カリッムニュの不思議な食感で、なかなか美味しかったです(^^♪