どらむろ さんの感想・評価

2.9
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態：観終わった

退魔＆ボーイミーツガール。主人公の優柔不断さが原作改悪

月刊ヤングエースの漫画が原作の、退魔バトル＆ボーイミーツガール。
微エロありつつ、モブに厳しい残酷展開多い感じ。
ふた昔くらい前の古さ感じる作風ながら、バトルとボーイミーツガールは悪く無い感じですが…
主人公の優柔不断さが致命的でした。

…2015年冬期で視聴した作品中、唯一残念でした。
で、でも、出来る限り好意的な面も書いてます。


{netabare}『物語』
辛い宿命背負って戦う少女を、少年が助けて戦う。
少年エース系（本作はヤングエースだが）に多い印象な退魔＆ボーイミーツガール。
喰霊（がれい。アニメの零ではなく、原作本編）と同系列と見ました。
微エロやハーレム要素はありますが、基本はボーイミーツガールと見た。

メインヒロインの島津朔邪（しまづ さくや）はツンツンした攻撃的性格だが、これは背負っている宿命（名門退魔一族の当主だが、一族からは虐げられている故に、負けるワケにはいかない）故にやむを得ないであろう事が、主人公・浅野真一郎（と、視聴者）にもすぐに分かります。
頑張り屋だが脆い一面もある朔邪を、真一郎が支えていく、過酷な退魔バトルを共闘する事で、二人の絆が深まっていく…。
この基本プロットは中々に良い感じでした。

退魔バトルの緊迫感自体は中々。
モブ退魔師がゴミのように残虐に殺されていく、かなりモブに厳しい作風。
それは本作の緊迫感高めるのに貢献しているのですが…
モブがゴミのように殺されていく最中、主人公が異能（ヒロインにキスする事でパワーアップさせる支援能力）を出し惜しみする優柔不断さに、終始イライラしました。
おいぃぃ、死にたいのか！？この期に及んで何やってる！？
このせいで自分だけでなくヒロインも危機にさらしたり、モブの犠牲が無駄になったりする展開多くて、腹が立ちました。
※原作未読ですが、どうやら原作の真一郎は決して優柔不断ではないようです。
つまり…原作改悪じゃねーか！
この他、角川10話枠の性か、中途半端で終わっているのも評価下げます。

…えー、ここからは良かったと思う点も。
退魔バトルは真一郎が場馴れしてくる中盤～後半、良くなってきます。
朔邪と真一郎の共闘で強敵と渡り合う異能バトル展開は、同期の異能バトル系の中でも比較的燃える部類でした。（他ライバル作品がイマイチだった面も）
朔邪の妹の須世璃（すせり）の召喚系の異能も加わり、敵ボスのやたら強い女を相手にしたバトルは後半かなり盛り上がったです。

真一郎と朔邪のボーイミーツガールも中々。
辛い境遇の朔邪が少しずつデレていくのが可愛かったです。
島津姉妹の確執から、真一郎を挟んで少しは歩みよれたか、どうか？
な感じのドラマも、少しは見所でした。

敵ボス女の凄まじい怨念から島津家との因縁など、ストーリーも中々興味深い…と思った矢先に、アニメは終了。
うーむ、消化不良です。
続き気になるなら原作読めという、角川らしい。
…悔しいが、原作購読してみようかなー。

総じて
尺の中途半端さと主人公の優柔不断さを除けば、基本は悪くは無いように思えた。
いや、退魔＆ボーイミーツガールはむしろ私の好物、本来なら結構好みの作風です。
それだけに…色々と惜しい。


『作画』
金髪貧乳美少女の朔邪と、黒髪巨乳美少女の須世璃は中々可愛い。
キャラデザは結構好みです。
異能バトルは弓矢でエネルギー弾飛ばす系で単調ながら、周囲の状況も含めれば決して悪くは無いです。
微エロは規制が多くて、あまり萌えない。
グロはかなり残酷シーン多し。
…総じて作画面では、私は比較的好意的です。

『声優』
真一郎の河本啓佑さんはまぁまぁ。
木戸衣吹さんは攻撃的で孤独なヒロインを好演されていたように思えますが、些かテンプレな感じが。
いや、これは木戸さんの責任では無い気もしますけど。
…木戸衣吹さん、微妙に配役に恵まれないなぁ。
須世璃のM・A・Oさんも強い決意背負ったお嬢様っぽくて良かった。
異能の詠唱シーンでは木戸さんより若干上手かった気が。

敵ボス女イスカ役の藤村歩さんがMVPでした。
凄まじい憎しみの猛執が滲み出る迫力がかなりのもの。
最終決戦でも格上感出てました。

『音楽』
主題歌はまぁまぁ。

『キャラ』
主人公・真一郎が危機的状況でもキス出し惜しみする優柔不断さが致命的。
しかも原作改悪とくれば、アニメの評価的に擁護のしようがありません。
それ除けば、性格きつい朔邪のそばに終始寄り添い、バトル的にも精神的にも支え続けたナイスガイなのだが…。

ダブルヒロインは姉妹共に十分な魅力がありました。
姉は性格きつい理由にちゃんと背景があるので、健気さや脆い可愛さの方が際立つ良ヒロイン。
妹の方がスタイルも性格も良いのだが、シナリオ的に不遇でした。

他、タマはハーレム要員…に思えて意外に空気。
モブも頑張っていたが、ゴミのように殺されていく…。

一番印象的なキャラは、女魔術師のイスカでしょう。
表情怖いが一番美人だし、実力も怨念に満ちた闘志もインパクト大。
というか、作品タイトルではないか。実は彼女の方がヒロインなのか？

…総じて、主人公の優柔不断ささえ無ければ、キャラクターは悪くは無かったのに残念です。{/netabare}