kurosuke40 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
傑作
素晴らしいアニメでした。
毎週放送が楽しみでした。
また放送後の感想をツイッターなりで検索するのがこれほど楽しみなアニメは今までありませんでした。良い時代だなぁ。
どの話数も、小さな事件を起こしつつ、人間模様を描いていく濃密な回ばかりでしたね。悩み、前進し、そこに手の届く範囲での進歩が見られるという、見ていてほっこりする内容です。悩みや解決法、また得られた到達点がとても人間的で、つまり現実的であるため、とても感情移入させられました。また登場人物達が(子供っぽいところもありすぎるんだけど、一応)老成しているため、なるほど、そう行動するのかと気付かされることも多々有り、見ていて飽きませんでいた。さらには放送後に感想を検索すると、自分が気づかなかった因果が見えてきたり……と発見が絶えません。最後は情熱なんだよなぁ。
どの話も語りたいことはありますが、私が特に印象に残っているのは8話の宮森姉の話かな。
宮森姉が初めて登場したとき、私は「問題を持ち込んできやがったな」と舌打ちをしましたが、実際は宮森姉は「妹に心配はかけない」という挟持を持った強い女性でした。どう考えても言動がおかしいから隠しきれてはないのだけど、でも彼女は決して酔っても心労を言葉にはしない、伝えはしない。一方みゃーもりは姉の心労に気づいているけど、挟持にも気づいている。もしみゃーもりが「何かあったのか」と聞いてしまうと姉の心労は減るかもしれないが、姉の挟持に触れてしまう。だから、みゃーもりも訊かない。そしてその両方をねぎらうことのできるのは”姉の帰り際”であり、また「もう大丈夫なの」という台詞から暗に伝わる『妹は姉のことを言葉で伝えられなくてもわかってますよ、心配をかけないようにしてくれてありがとう』という言外のやり取りがとても心に響きました。姉からしたらとんでもない手土産をもらいましたね。あんなんみゃーもりに惚れてしまうわ。
最後に
白箱は人間模様を物語の軸としていますが、それ以外の要素も筋が崩壊しない程度で取り入れ、なるべく多くの視聴者が見続けれるような配慮をしていたアニメだったと思います。その点でバラエティ豊かで笑いも絶えませんでした。良い作品をありがとうございました。