ＯＺ さんの感想・評価

2.9
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態：観終わった

空腹は最大のスパイス？それとも・・・

原作の漫画は読んでいないが
『とらドラ!』や『凪のあすから』等でお馴染みの
岡田 麿里さんがシリーズ構成を務める事から
期待して観てみた2015冬アニメ

■空腹は最大のスパイス？それとも・・・■
可愛いキャラクター達が食を通じて
どこにでもあるありふれた食卓に
誰かと食べる喜びを描く
まさに幸せな日常系グルメ作品『幸腹グラフィティ』

新房監督×シャフトらしい演出は適度に抑えられ
独特のシャフト演出が苦手な人でも観易くなっている。

タイトルの「腹」から想像が付く様に
焦点を食に置いており
出てくる数々の美味しそうな食事達を見て
視聴中にお腹が減るのはもはやお約束。

「誰かと一緒に食べるご飯は美味しいね」と
メインテーマが一貫してブレないのは好印象だ。

一方で難点が目立ち
特にテンポと持続力に関しては正直厳しい。

良く言えばまったりとした空間を生み出しているが
悪く言えば終始冗長になってしまっている。

また 演出のバリエーションが少なく
どのエピソードも代わり映えしない為
間延び感は否めず
続けて観るには少々飽き易いのが弱点だ。

結果"1話30分は長い"に尽きるのである。

尺の余裕さが裏目となり
もしも半分の15分くらいであったなら
凝縮されてもっと評価も上がっていただろう。

その余裕さを"癒し"と捉えられるかで
印象が大きく分かれる事となりそうだ。


きりんの様に幸せいっぱいな笑顔で食べてくれる人と
些細な会話でもしながら食卓を囲めば
一人で食べるご飯より
美味しくて楽しい食事へと変わるもの。

よく「空腹は最大のスパイス」と耳にする事があるけれど
1番美味しく感じられる調味料は
"誰かと一緒に食べる事"だと
改めて食事の意義を伝えてくれる作品である。

■あとがき■
掴みはまずまずでしたが
3～4話辺りで展開に慣れてきてしまい
思っていたよりも楽しめなかったです。

やっぱりテンポとキャラクターかな。
中には温かいエピソードもありましたが
メリハリの薄い構成なので
1話30分だと観ている途中に飽きる事が何度かありました。
せめて10分～15分程度なら
もう少し纏まって楽しめた気がするよ。

それと主人公の町子 リョウだけれど
家事全般が出来て性格も容姿も良くて
一見理想的な女性なのだが
それ以上に魅力を感じられなかったのも大きかったね。

後日 漫画版を読んでみましたが
アニメ版では食事シーンの艶っぽさが
かなり控え目に抑えられていて
『幸腹グラフィティ』のセールスポイントである
美味しそうに食べる姿から感じる"色気"が
妙に"エロい"ところだけ強調された演出に替わってしまい
色気なのか？エロなのか？
どっちつかずのまま表面化され
良さを出しきれていなかったのが残念でした。

作品のテーマそのものは好みだけれど
面白さを見出せないまま終わってしまったね。

満足度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ (2)