「純潔のマリア(TVアニメ動画)」

総合得点
70.5
感想・評価
866
棚に入れた
4493
ランキング
1544
★★★★☆ 3.7 (866)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

どう在るか、ではなく どう在りたいか

英仏戦争の時代。
汚いモノは見たくない
争いを嫌う魔女は魔法を駆使して戦いを妨害していた

戦争 傭兵
天界
地上の教会
を敵に回し
それでも彼女は自分の信念と純潔を守り続ける…!


魔法少女の作品はいろいろあるけど
それらは現代が舞台のものが多く、中世とかファンタジー世界が舞台のアニメってそんなに多くない気がする。だからこの作品はたまらなくいい!魔女が魔女してるよね。中世の魔女モノもっと増えないかな


・夢魔って淫夢で人を惑わすものだと思ってたけどこの世界では実働派なのね。


最大多数の幸福

天界は
人間の愚かな行いも
地上の営みと傍観するだけ
それなのにマリアの行いは秩序を乱すから止める?おかしくない?


マリア「あんた達がやらないから
私が止めた
なのに、なぜ私が罰せられないといけないの?」

力を奪われそうになるが
ジョセフたちの行動と言葉により
ミカエルは意見を変える

その理想を願い、実現させたくば己の快楽と幸せを犠牲にせよ
との天界(ミカエル)のお達しから
純潔を失えば魔力を失うことになり、監視役(槍鳩)もつく。


ん?もしかして
「男が純潔を失わなければ、やがては魔法使いになる」というまことしやかに囁かれる伝説から
作者はこのストーリーを思いついたのではないか?


…ってのは冗談だけど、彼女が魔女の中でもさらに異質な存在なのは間違いない。現代的な考え方の人間が中世に転生したかのようだ。発想の根本はテルマエ・ロマエでタイムスリップしてたのに近いかも。




カッパッパ♪
いやいやいやいやいやいや!!
いくらイケメン修道士でも剃髪してたらもう台無しですよ!
いくらイケメンボイスでもてっぺんツルピカリンじゃあ台無しですよ(笑)
できるだけ映さない優しいカメラワークだったけど、若干映る肌色が気になってしまいますよ(笑)
あれで女性ファンは食いつくのかな?はげイケメン萌えという新たなジャンルとして確立するのかな?


ウィキペディア先生に伺ったところ、
あれはトンスルというヘアースタイル。ホモセクシャルな修道士たちのように
もみあげや襟足付近も剃り落とし、輪っか状にするのが正式なようだ。それだと流石にイケメンにはならないのでベルナールとジルベールはああいう髪型にしたのかな?
一説では
磔にされたキリストがつけていた荊の冠を表しているらしいが、詳細は確かではないようだ。なのにあんな髪型に…
野球部なら坊主!みたいに習慣として根付いていたのでしょうか?
伝統に信仰心まで加わるのですから、彼らは疑うことなく頭を剃ったのでしょう。
強制ハゲ化
女と交わるのは穢れ→ホモ化
それがッ…!
救いを…神を信仰する代償なのだとしたら!
私にはとても無理です…!修道士ってすごい。


「あなた達は楽ですよね、何も考えずただ信じればいいんですから」
そんな台詞はあの頭にも通ずるような気がします。


死の勝利
黒死病
病に滅びた村、唯一の生き残りだった人は
かつてマリアを追い払ったことをどう思って生きていたのだろうか…。

マリアによって救われた人と会いエゼキエルにゆらぎが生まれる。

争いを無くした後にマリアはどうするんだろう?
魔女であり続ける?女性としての幸せを求める?
ジョセフと結ばれて その後再び争いが起きたとしても、チカラは失われているけど…?



マリアの行動を利用する方向に動き出した領主たち。
そのころガルファは酔って騎士の女と寝てしまう。
騎士の恋人 清楚に見えて実はビッチ。

決闘に勝って
司祭に注目され
相手の騎士は自決して
問題の女は行方をくらまして
ガルファは賭けにより大金を手にする…完全勝利じゃん!



6話
怪物メルジーヌ
怖すぎ!でも逸話を調べてみると可哀想な存在なんだね…鶴を思い出す


マリアの介入もあり
イングランドは徐々に劣勢に。
そんな折、ガルファはいざというときの魔女殺しを命じられる…。


マリアに救いを求めるアン。エゼキエルは軽くデレて伝言を引き受ける。
そんなとき天からミカエルが現れポッポちゃんの役目を再度確認させる。
ポッポちゃんは人が救われる手段としてのマリア[魔女]の存在をミカエルに問う。
が、人の世の領域を超えていると…
人類は恒久の平和に到達することはあり得ないってことですか……

ジョセフから
争いを終わらせるために
今度の戦いには介入しないでほしいと頼まれるマリア
しかし悩んだ末に
アンからの贈物である花冠を見て覚悟するマリア

使命 意志

目の前の争いを止め
人を救う
それがマリアのやりたいこと。


一方で
ガルファからマリアが純潔だと知らされて狂喜する司祭さま。やだこの人怖い…(笑)
ってかエゼキエルは重要なことペラペラ話しすぎじゃないですかねえ…


7話
イングランドが全滅しそうなところでマリア登場。
彼女は戦いを辞めさせようとするが、撤退させようとしたイングランド兵が血迷ってフランス軍を攻撃。再び争いが始まってしまう。
マリアは魔法を使い止めようとするが、今回はミカエルが見ていて…。

ガルファの言葉で調子に乗って攻めすぎた傭兵団。自分も賛同してたくせに団長はガルファに責任を追求し、ガルファは切れて団長を殺害。
女に見られる。
そして、すぐに罰が当たり大砲に腕を吹きとばされる。スピーディ天罰です


一方、槍(ポッポちゃん)が外してくれたおかげで一命を取り留めたマリア
エゼキエルは良い子!
墜落したマリアを救った
ビブさんのサマーソルトキック(キックじゃない)がかっこよすぎる!あれならベガも余裕で倒せそうだね!


エドウィナってあの女の子を使い魔にしてた魔女かな?
おそらくビブさんが言っていた
かつて人々を救おうとした女の子ってのもエドウィナのことだろう。

司祭が市民に解いていた神の教えは魔女マリアという存在の歪さを流布している。なかなかやり手だな

正しい救いをもたらせるのは天のみ。
人が行った救いはどこかに歪みをもたらす


ただマリアの行動によって生まれた歪みといっても
それは権力者や国 力ある者の利己的な問題
それによって傭兵が村を襲ったり…と人々に被害も出てるけどマリアが悪いってよりは争いで経済を回してるのが原因だし。

神がもたらす救いは言葉による心の支えで
実質的には救われていない。
エゼキエルはただ神に従うだけでなく、自分で考えるようになった。ミカエルにとっては誤算だっただろう。ミカエルさんがどれほど忙しいにしても
そもそも槍として用いるならば意志は持たせるべきではないね。

マリアとの和解シーンは感動的だった。まるで本当に聖母のような微笑み

しかし次回
司祭とガルファの悪巧みでマリアの純潔がピンチになりそう
アンのお祖母さんも気がかり。


8
「マーサは魔女に毒を盛られていた」
「魔女のせいで戦に大敗した」
修道士の先導した噂で
マリアは偏見に満ちた目で見られるように…。
大衆は扇動されやすい
それは今も変わりない

外堀から埋めつつ、ダイレクトにマリアの処女も狙っていく…エンブリオに負けない畜生じゃあないか!

ゴブリン的な北の部族、ケルヌンノス
人々のありようによって
魔の者の力は衰える
それは神も同じ。信仰心が薄くなれば神の存在も薄れる。

個々は無力であっても、人々が集ったときには多大な影響をもたらす。



9話
くっそ、ガルファ死ねよ!!と思ったけど、ねこ(cv.小澤亜季)が可愛かったから許す!


ビブさんは相変わらずかっこいい

【魔女との議論】
河童ちゃんがね、なんかちょろいというか、ああ 髪の信仰に恭順して考えるのを辞めていたんだなーこの人はこれはこれで純粋な人なんだなーと思わされた。
マリアが処女だと知ったときも椅子がったがたさせて笑ってたもんな、ある意味子どものように純粋なんだよきっと。
神を盲信して思考を放棄していたという点ではエゼキエルと同じタイプだったんだね。この先は神と自分の髪に対する考え方も変わるのだろうか?

人の認識により神は存在する、ってのはやはりそういう考えになるものなのかな。
神と同じく天上の存在、宇宙が認識されたのも人の研究した成果だし。獣や恐竜がガオガオしてても永遠にブラックホールや流れ星に気づけなかったわけだし。
天体のように観測はできないものの、人が居なければ神という概念すら生まれ得なかったのは確かだろう。

魔女マリアが主人公だし、ミカエルがあんな感じだしでGODサイドが残念な風に描かれている、けど

神に祈りを捧げ、心の平静を保とうとすること自体は悪くないですからね。人の心は弱いから。
たとえ神に救われなくとも
救いを求め正しく生きようとすることで救われるのです。

葬儀も同じです。
死後の世界とか、輪廻転生とか死者の魂が救われるとか、そういうことを本気で信じている人は現代では少ないでしょう。
ただ、それでも
大切な人が救われてほしいと願う気持ちは本物でしょうし
葬儀を済ませ区切りをつけることで遺された人々の心が救われることも確かでしょう。

神も幽霊も妖怪も人の心が作り出した曖昧なもの
目に見えないもの
それは人の心を映した鏡のよう
だから人はそれらに惹かれる


なにより
そういったオカルトはありえないと思って生きるより
神に感謝したり、これ妖怪の仕業じゃない?って思ったりしながら生きてるほうが楽しいでしょう。


10
ビブさんかっこいいいいいいいいい!!!!
「人は神に愛を求めるけど神は応えない。どうしてかわかる?…簡単なことよ、神は愛を知らないから」
「愛は人が作ったものだから。愛も知らない下等な者がいつまでも私たちの上に君臨しないでよ!」

…かっこいいっすねえ、言った後に油断して刺されなければ最高にかっこよかったのに。
ミカエル激おこなのは図星だからかな?
挙句に
お前は今まで食ったパンの数を覚えているのか?みたいなこと言い出しちゃうし。
エゼキエルは
『ダメだこいつ…早くなんとかしないと』って思っただろうな。いや、思ったのは私でした。


かつて争いを無くそうとした女の子が居た、、ってビブ自身のことだったのか…!だからマリアをやたらと気にかけていたんだね。


醜い大衆を見てマリアは失望していたけど
人間に守る価値があるんじゃなくて
マリアは大切な人たちを守りたかったんでしょう?


ビブに続いて
エドウィナさんの奮闘っぷりもかっこよかったのに、それに比べてガルファの糞っぷりときたら…


11話 魔法が使えなくとも戦場へ向かう。それは無謀でも勇気でもなく「愛」

殺し合いが嫌だってのは例え相手がガルファでも同じなんだね。マリアは本物です

そこからの告白シーンはよかったですねぇ。いくつもの勢力の間で翻弄されていたジョセフが自分の夢をはっきり見つめ、マリアに告白する。ガルファとの戦闘シーンより勇ましく見えました。

OPの歌詞にある「私は愛を知った」
そもそも使い魔たちやマーサ、アン、ジョセフなどいろんな人に愛されていたわけですが、ここにきて愛することを自覚したんですね。愛されて愛して自信に繋がる。
大樹が生えるシーンは最近見た魔法つかいTaiを思い出した。あちらも魔法を使う上で人を想い、自分を信じることが大切だった。
想いによって人は大きく変わる。感情も一種の魔法なのかもしれない「恥ずかしいセリフ禁止!」



ベルナール「この世にある全てはより良き世の中を作るために使ってよいのです。政治も戦争も魔女もおそらくは…」
神も、と言おうとしたのでしょう。

自分勝手で人間本位だけどそれでいいんじゃないかな、人間だもの


地上の争いにひとまず決着がつき、残るは天上の存在。
リア充アピールされたミカエルの心境やいかに!?



驚愕と享楽の最終話

えっ?
ベルナールが!?
二フラムされた!!?
聖職者なのにっ!!笑

ずっと信じていたものが揺らいで、思考を重ねて新たな教えを見出した、と思ったら
それもまた否定されて…
うん、彼はあそこで天に召されて幸せだったのかもしれない。

そう捉えれば隅から隅まで見事にハッピーエンド。魔女が主人公で ここまで清々しい最終回を迎えるとは!最後 ナレーションによるストーリーの締めが粋です。夜ノよりも粋な終わり方でした。


名シーンはやはりポッポちゃん絡み。
「関わってしまったから。遠い空から見下ろしているのとはわけが違ったんです。人の温もりって…この二人はいい人です!」
ついに自分の意思をミカエルにぶつけたエゼキエルが素敵でした。

罰として転生させられることになった
ポッポちゃんを受け止めるシーンのマリアはまさしく聖母。
自分たちの魔法が解けてしまうことを承知でポッポちゃんの助けを求めた梟たちもよかった!


大切なのは力<意志
前回、魔法が使えなくてもジョセフの元に駆けつけたことからしっかり結論へ繋がってます。

人のカタチを取れなくとも梟たちがマリアを好きであるように
たとえ魔力や純潔を失ってもマリアは変わらずマリアなのです。

投稿 : 2015/04/22
閲覧 : 210
サンキュー:

7

純潔のマリアのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
純潔のマリアのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

青陽が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ