CountZero さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
西洋史と宗教
なんてタイトルつけてしまうと難しくなりますが、普通に面白かったです。
けど、この作品はキリスト教の背景のない日本だから良かったのかもとも思いました。
この作品でも扱われている異端審問はキリスト教会の黒歴史だし、堂々と新しい教えを考え出して背教する神父がでてくるし、神様やミカエルをはっきり罵倒したり、最終的には {netabare}魔女であるマリアに処女懐胎{/netabare}までさせちゃったり、真剣に信仰しているキリスト教徒からしてみればかなり受け入れにくい内容になっていると思ったので。
でも、百年戦争時の時代考証は結構良くされているように感じました。
中世の市井の人々や教会の様子も垣間見れて、歴史物が好きな人も楽しめる内容になっていたと思います。
何回か出てきた「死の舞踏」の絵とかを見て、「黒死病が流行ったのはこの時代だったんだっけ?」と思い、コニー・ウィリスの「ドゥームズデイ・ブック」で読んだ中世のパンデミックと中世の生活の様子を思い出しながら「なるほど…良くできてるなあ」なんて偉そうに見てました(笑)
あとは、毎回のサブタイトルがなかなか文学的で良かったです。
第3話 FIDE,NON ARMIS 武器ではなく信仰で
第4話 MEMENTO MORI 死を思え
第9話 CUM GRANO SALIS 一つまみの塩を
第11話 SI VIS AMARI, AMA 愛を望むなら愛せ
第12話 OMNIA VINCIT AMOR 愛は、全てに勝つ
作画も綺麗ですし、お話も1クールで上手にまとまっていましたので、軽く観れると思います。
良作です。