migratory さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
無限にあると信じて疑わなかった、小さなころに感じていたあのじかん
古き良き侘しさ寂しさもあるような、自然にある間がとてもきれいに感じる。
一年間の四季折々もいっしょに感じることができるアニメ作品と言えるかと思います。
テレビアニメ全12話を見終わった後には精神と時の部屋から出たような、爽快感をきっと味わえます。
1年間がとても短く感じてしまう人や1年の春夏秋冬巡り変わる季節の機微に触れることがなく気がついたら季節が終わってた、と感じる人に見てほしいアニメです。
※人物まとめとともにエピソード紹介※
れんげ・・・すべてのことが新鮮に感じれる多感な子どもという印象。ぬいぐるみを作ったときの出来や人物を書いたときの繊細な的確さは将来、芸術家になることが予測されていることのように思える。一人遊びをする能力に長けてる上、調和もとれるので親の手のかからない子供と言える。登場人物の中で、いちばん自立している子なのかも知れない。
4話「夏休みがはじまった」が特にお薦め。
この回は正直、間が秀逸でせつない。泣きそうになる。
蛍・・・小学5年生とは思えない身なりをしている現代の都会っ子。物語の視点的には彼女が主役。都会から引っ越して来た。
相手の勘違いに気付かないという性格は自分のことにしか興味ない人間性だとも裏付けられる。
悪い意味で一人遊びをする傾向にある、と共に物質的なものはすべて与えられている環境にあると考えられるから基本的には受身。ヤンデレの要素を多分に含んでいるため、将来腹黒くならないかがかなり心配。自分で自分を傷つけて「痛いんです。どうしたら良いですか?」みたいなことを平気で言いそうなところがあって彼女が自己陶酔していった世界に引き込まれたらもう最後、途轍もなく怖い。
夏海・・・やんちゃ。自由。めんどくさいことが嫌い。分かりやすい性格の越谷家次女。
小鞠・・・異なるものに直面するととたんに弱弱しくなる越谷家長女。蛍を東京から来た女性だと勘違いして駄菓子屋に連れて行く2話「駄菓子屋に行った」の回がお薦め。
越谷家兄・・・存在感が薄いだけじゃなく、声を発する機会を幾度となく奪われる悲運にある少年。男としての周囲の認識はゼロに近く、正直彼の性格を明言するような言動はさして余りない。ただ、とても人生を謳歌している雰囲気はなんとなぁく掴める。と同時に何か諦めているような達観している印象を見受けられる点において「となりの関くん」の関くんの感じに似てる。名は卓(すぐる)。
時にウォーリーを探せ!している気分に苛まれるくらい登場に制限があると思えてならない。
全12話で1年間の物語を完走してしまったので、続編は作られにくいかと思ってしまうところですが、それでも続編希望を望む声は多くあると感じます。
ここまできれいな「間」を汲み取ることの出来るアニメはなかなかないので、もしクールジャパンで推奨するアニメ作品を挙げるとしたら真っ先にこの作品を挙げてしまうかもしれません。