タマランチ会長 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
加藤恵さんの人間的魅力
最終回、加藤が先輩から「最近あんたたち(えりりと)仲いいけど、仲良くなり過ぎると地獄をみるよ。」みたいなことを言われています。これはえりりが主人公が好きで、大変嫉妬深い上、加藤自身もまんざらではないようだから三角関係になるかもしれないという意味でしょう。
物語も終盤、えりりから加藤に「名前で呼び合おう」みたいな申し出がありました。ここで、先輩の言葉の回想シーンが入ります。加藤は何事もなかったかのように「えりり」と名前で呼びます。私はここで大変この作品に感心しました。
加藤はその歯に衣を着せない毒舌、マイペースなキャラでした。リアルなら、あそこで少し距離をとるという選択肢があっても不自然ではありません。しかし、誰でもあそこは「仲良くなりたい」ものなんです。我々が躊躇しちゃうような決断を迷いもなくしれっとやっちゃう。はっきりきっぱり「自分の信じること、やりたいこと」を「自分の心のままに」やる芯の強いキャラだったってことを強く印象付けました。周りに流されない。先輩の言葉に惑わされない。なんと人間的魅力にあふれた人物でしょう。
最終回まで周りのキャラに押されてすっかり存在感を薄くしていたヒロインが、ここで威厳を示したと受け取っています。
この作品は、ただの萌えアニメではありません。かなり良質です。