「冴えない彼女の育てかた(TVアニメ動画)」

総合得点
86.9
感想・評価
2884
棚に入れた
14961
ランキング
181
★★★★☆ 3.9 (2884)
物語
3.7
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

OZ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ノイタミナの挑戦的萌えラブコメ

原作のライトノベルは読んでいないが
『WHITE ALBUM2』でシリーズ構成・脚本を務めた
丸戸 史明さんが原作で
キャラクターデザインが好みな事もあり
期待して観てみた2015冬アニメ

■ノイタミナの挑戦的萌えラブコメ■
根っからオタクの主人公 安芸 倫也を中心に
目立たない普通なクラスメイトの女子 加藤 恵を
メインヒロインに据えたギャルゲーを作るべく
ゲーム制作に携わるヒロイン達との日々を描いた
同人ゲームサークルが舞台のラブコメ作品『冴えない彼女の育てかた』

今作品は良くも悪くも微エロであり
胸の谷間やスカートの下から見上げる様なサービスアングルに加え
ボディラインを強調するカットが多い。

フェティシズムを感じさせる演出を
露骨と感じるかそうでないかの
受け止め方で評価が異なりそうだ。

初回の第0話「愛と青春のサービス回」から
唐突に温泉入浴シーンで始まり
まさしくタイトル通りのサービス回でスタート。

いきなり半年後の話で幕を開け
「今後こういった関係になっていくのか」と
未来の展開を冒頭に見せる掴みはまずまず。

しかし 一区切りのついたところで
物語は終わりを迎え
最終話に第0話の時間軸を追い越すのだが
話数の余裕が足りないせいか
上手く繋がった様には見えず
今一つ構成面に粗さを感じてしまう。

また 登場キャラクターの可愛さが魅力であるけれど
澤村・スペンサー・英梨々と霞ヶ丘 詩羽の二人くらいしか
内面について踏み込まれていない為
他のヒロイン達に深みを感じず
"ヴィジュアル的な可愛さ"だけに
留まってしまっているのが惜しい。

1クールではとても尺が足りないので
2クールあれば他のヒロイン達の内面がより描かれ
評価はもっと高くなっていただろう。

どちらかと言えば
TBSやTOKYO MXで放送しそうな作品だが
本気でノイタミナが萌えラブコメを作ったらどうなるのか?
良い意味でノイタミナらしくない作品である。

■えりり!エリリ!!英梨々!!!■
今作品の魅力は
恵 英梨々 詩羽 出海 美智留
5人のヒロイン達が可愛く描かれている事だ。

中でもお気に入りなのが
金髪×ツインテール×ツンデレと
テンプレ通りのお約束設定に
+αで八重歯が可愛い
詩羽曰くパチモン幼馴染の
澤村・スペンサー・英梨々である。

何かと詩羽に突っかかったり
倫也に想いを寄せる恋敵であっても
クリエイターとしてきっちり実力を認めていたりと
ゲーム制作に私情は持ち込まない
やや面倒くさい性格だが根は至って真面目な彼女。

そんな彼女の魅力を存分に味わえるエピソードが
第9話「八年ぶりの個別ルート」だ。

倫也との大事な思い出である
乙女ゲーム『リトルラブ・ラプソディ』
通称リトラブの同人誌を作る波島 出海を
本気で応援する倫也に嫉妬し
そのまま仲違いしてしまう英梨々

恵と詩羽の提案により倫也は
リトラブを模した仲直り作戦を決行する

傷心気味な英梨々の前に
ゲームキャラのコスプレをしたオタク王子倫也が
テラス越しからお迎えにきて
手を取り外へ連れ出す
まさにリアル乙女ゲー展開

8年前の些細な出来事に
お互い逆ギレ合戦でぶつかり合った末
わだかまりも晴れて解消する二人

英梨々のキャラソン「Blooming Lily」が
流れるタイミングもバッチリで
キャラクター間の友情や
英梨々の可愛さを再確認出来ると同時に
もっとも楽しめた回であった。

メインヒロインでもおかしくない存在感の英梨々に
是非とも逆転勝利フラグが立って欲しいものである。

■2015年 冬アニメのベストED■
キャラクターの魅力だけでなく
音楽面もなかなかの今作品。

OP「君色シグナル」も良かったけれど
更に良かったのがED「カラフル。」だ。

好きな人が傍にいると嬉しさや楽しさだけでなく
寂しさに不安といった幸せなのにどこか自信の持てない
恋をしている時の揺らぐ乙女心な歌詞で綴られている。

恋をする事で前向きになり
見える世界が色付いていく意味を込めてのタイトルだろう。

映像も含め
曲名通りカラフルなEDは
2015冬アニメの中で
1番お気に入りとなったEDである。

■あとがき■
これから!ってところで終わってしまい
ストーリーは正直物足りなかったけれど
可愛いキャラクター達のおかげで
0話+12話の全13話と楽しめました。

「俺達の戦いはこれからだ!」
ラストに締めようとする倫也を
後ろから勢い良くハリセンで
「嫌なフラグ立てるなっ!」と
不吉な打ち切りフラグをへし折る華麗なツッコミを入れ
最後の最後で英梨々は美味しいところを持っていったな。

散々 「英梨々!英梨々!!」なんて言ってきましたが
実は終盤で美智留に傾いてました(笑)

第11話のYシャツ一枚でギターを弾く美智留に
倫也が「やっぱりお前が欲しい!」と切り出せば

「トモが初めての相手か・・・
 興味ないわけじゃないし
 あんたならそんなひどい思い出にもならないだろうし
 ま 悪くない落としどころかな」
そう言ってYシャツのボタンに手を掛ける美智留

「ごめん 欲しいのはお前の曲だから!!」
「今の勘違いはあたし悪くないよ」

"君ら本当に従姉妹同士かよっ!"なんて
ツッコミを入れつつも
勘違いしてはにかむ美智留は破壊力抜群だったよ。

某テーマパークの従業員なら
おそらく「前かがみです」と
低姿勢な口調で述べる事だろう。
勿論 観ていてなりましたよ。前かがm(ry

・・・しかし この場面で断るとは!?
詩羽先輩に「倫理(りんり)君」って言われても
仕方がないくらいヘタレっぷりだったね。

それと恵役の安野 希世乃さんは
失礼ながら全く存じていませんでしたが
物静かな声質とトーンでハマり役だったし
今作品を機に売れていって欲しいです。

DVD BD第1巻の売り上げが約1万枚と
調子は良さそうなので
2期の可能性も充分ありそうだ。
原作もまだ完結していない様ですし
是非とも続編を楽しみにしたい作品だね。

満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7)

投稿 : 2015/04/01
閲覧 : 411
サンキュー:

56

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