くし さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
明日に向かって 夢をのせて「どーんと行こう!」
全24話。今期の大好きな作品の一つで、明るくてやる気の出る作品。
高校のアニメ同好会5人の少女が卒業後アニメ制作を夢に社会で奮闘する物語。
前半の12話、後半の12話、大きな2つの流れで構成され、前半部分は仕事に就いてからの成長過程であり、困難や奮闘が連発して凄く面白い。後半は前半より起伏がやや少ないが安定した作りで安心して観る事ができた。また、後半はアニメ制作の過程が詳しく描写されていて、この業界の仕組みがよく理解出来たのだが、説明っぽく感じてしまい、物語を楽しむ感が若干弱くなったのが少し残念だった。
P.A.WORKSによるオリジナル作品。P.A.WORKSオリジナルといえば、「花咲くいろは」を思い出すが、同様に仕事に取り組む姿を描いたものだ。「花咲くいろは」は日常色が濃いが、SHIROBAKOは苦悩や逃げ場のない必死な葛藤振りも見る事ができ、明るく一生懸命に取り組む姿にこちらも加勢して見入ってしまう。
物語の始まりは「頭文字D」顔負けのオープニングで、この作品がどういう作品なのかワクワクし大笑いしたけれど、誇張された展開が視聴意欲をより掻き立てられた。
また、各登場人物の人間模様も多く描写されてストーリー的には印象深い物になっている。やはり面白い引き込まれる作品です。
学校を卒業し自分の未来が見えない中で、この5人がそれぞれ自分の夢を信じながらも進む道を模索し、始めは夢から始まり社会に出たが、現実の厳しさに直面し、疑問を持ったり、これでいいのか迷い悩んだり、自分探しに弱気になることも。
どんなに辛くて困難でも、続けることによって苦しんで苦労した分だけ面白さや達成感として喜びは大きく返ってくる。やり遂げて、みなの喜こぶ笑顔で返してくれると疲れが全部吹き飛ぶんだよね。
5人が違う専門の道を歩みながらも、みなアニメが好きでアニメ制作の夢に希望を忘れずひたすら葛藤する姿に私もだいぶ元気をもらった。
やはりアニメって凄い。
一人ひとりが役割を持った部品でそれが集まって巨大な造形を形作る。プロフェッショナルとはこういうものだ。
監督、企画構成、演出、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、原画、背景美術、色彩、動画、3D、編集、検査、撮影、音響、アフレコ(キャスト)…、プロデューサー、そして制作デスクと進行。
役割と責任に心が折れそうになっても自分の役割を誠心誠意果たす。好きだからどんなに苦しくてもやり遂げられる。人生を捧げるほど好きじゃなければできない。
一枚の絵に命を吹き込み夢を世界へ放出する。みんなに感動を届けるって本当に素敵な事だな。
観終わって、彼女達の気持ちが少し分かるなぁ。
私も彼女程では無いかも知れないが、いつも「朝までに!」「納品まであと〇日!」毎日呪文を唱えるように発する言葉。明日を追いかけて、追いかけて、追いかけて、毎日毎日毎日毎日カウントする。
「寝たい、遊びたい」、現実逃避ー!「時間よ止まれっ!」という呪文も唱えたりしたりww
日が経つの早いんだよね。年を取るのもあっという間だ。
だからこれから夢に向かう若い諸君! 今のうちに今を楽しみたまえ。好きな事を夢に変え夢を描け、夢は生きている限り一生夢を追いかけろ。
今スタートするこの道は障害物競走だと思えば、辛くても苦しくても、どんな障害物も楽しく笑いながら乗り越えられる。
これから待っているピンチは楽しいぞ。泣いた事、興奮した事、挫折しかけた事、みんないい想い出。
追いかけても追いかけても、ゴールは私をからかうように距離を置いて招き猫のようにおいでおいでするけれど、結果どんどん前に進めてこれたんだ。
その走っている最中は分からなかったけれど、振返ってみれば長い道ができあがってきたなぁ。
そろそろ景色を眺めながら歩調をゆるめてみるか。