「アルドノア・ゼロ(第2期)(TVアニメ動画)」

総合得点
82.1
感想・評価
1693
棚に入れた
9755
ランキング
373
★★★★☆ 3.9 (1693)
物語
3.7
作画
4.1
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
3.8

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ネタバレ

29号 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

どうしてこうなった…。

衝撃的な結末を迎えた1期。
その続編って事で大変期待しておりました。

まず率直な感想から……


どうしてこうなった。


意外にもココでの評価が普通(むしろ高い)なことにビックリしています。




前作から1年7ヶ月後から物語はスタート。

依然として地球vs火星の交戦は続いていますが、2期は正直言って伊奈帆△意外何にもありません。


キャラクターの設定が全く活かされておらず、そして1期からの積み重ねたストーリーも完璧に破綻しています。

敵は伊奈帆さんの活躍で倒すだけ。

一応地球vs火星の構図ですが、火星内の中途半端な権力争いのせいで全体像がぼやけてしまいます。

19話の辺りからやってしまった感がかなり漂ってきて最後は…。


何のために戦うのか?

誰のために戦うのか?


この2つはどこか遠くに消えてしまいました。


{netabare}


個別に見ていくと、


まずは界塚伊奈帆。
終始安定のチートっぷりはまぁ目を瞑るとして、1番解せないのが伊奈帆が命をかけてまでアセイラム姫を助けようとする存在か否かと言う点です。そこまで肩入れする理由が全くわかりません。


と言うか、伊奈帆に限っては何のために、誰のために戦っているのかあまりハッキリしません。


スレイン。
1期ではアセイラム姫を助けるために戦っていましたが、2期では昏睡状態の姫のために、姫の理想の世界(戦争のない世界)を実現するために行動します。

この姫の理想を実現させるための解釈がブッ飛んでます。


戦争のない世界を!!

国が2つあるからいけない!!

じゃあ1つにしてしまえ!!

そのためには力が必要だ!!


って事で権力を掌握。
これは無いでしょ。姫がこんな事で喜ぶ訳がないって事はスレインが1番理解しているはず。なぜここまで歪んだのか。

そして第24話。勝負が決してスレインが仲間を逃がそうと月面基地で自爆しようとするシーン。
そこで側近のハークライトと部下がスレインと共に戦う事を選択しますが、スレインはあっさり自爆を辞めていきなり伊奈帆との戦闘シーンに突入。なんじゃこりゃ。

それで伊奈帆に敗れ捕獲され、姫暗殺の首謀者の汚名を着せられます。

これはコードギアスのゼロレクイエムパターンかと思いきや、そうでもない。

牢屋で面会した伊奈帆に殺せと言うものの、自ら命を絶つことはしておらず、姫のペンダントを身に付けていたりと「生」への執着を捨てきれていない感じが出ていて、よりスレインを哀れな存在にしています。


次にアセイラム姫。
彼女のスレインへの思いはそんなものだったのかと、残念でなりません。1国を背負っている身という事は理解出来ますが、スレインを気遣う描写が少な過ぎる。伊奈帆に託した言葉が全てと言えばそれまでですが…。

スレインがゼロレクイエム的な事を目論んでいると察した姫が敢えてそのように振舞ったとも考えられなくもないが、その線は薄そう。最終的にクルーテオJr.とくっつくし…後ろ楯が必要とは言え、ここまで来るとネタですね。


そしてレムリナ。
アセイラム姫が生きている事を知り彼女に銃を向けるものの、あっさり銃を下ろし、しかもなぜか憎んでいたアセイラム姫と和解し、スレインの本音を聞くために姫に協力。

第22話にて地球軍が月面基地に襲撃をかけアセイラム姫を暗殺しようとするシーン。レムリナがアセイラム姫を逃がそうとする描写がありますが、普通に考えるとレムリナが姫の姿で身代わりって流れでしょうが、無事に生き延びてます。

彼女の存在意義とは一体…。

{/netabare}


キャラ設定に関して言えば、地球サイドは伊奈帆以外のキャラはモブ化してます。

地球人が地球を守るために戦うのは当然ですが、主人公伊奈帆が身を寄せるアルドノアドライブを搭載してあるデューカリオン以外戦闘に参加している描写が少な過ぎる。

もはや、デューカリオンvs火星。

1番解せないのが、圧倒的な戦力差がありながらも地球を制圧出来ない火星人の無力さときたら…。

火星も一枚岩ではないという事を現しているのかもしれませんが、さすがに無理があるでしょう。


他には地球で産まれた地球人のスレインが火星側で戦い、火星で産まれた火星人のライエが地球側で戦う。

対極ながら同じような境遇のこの2人が絡む事は殆どありません。

この設定は活かして欲しかった。


結局の所、全24話終わって最終的にもし1話のテロが無かったらこうなっていたんじゃね?と言う状況に戻っただけですよね。

多くの犠牲の上に掴んだ平和って感じが全くせず、何事も無かったかのようにクリーンに処理している感じが気に入らないです。




タイトルの「アルドノア・ゼロ」はアルドノアを世界から失くすと言う意味かなと考えていました。

このような兵器があればまた大きな戦争が起こると考えた姫がアルドノア起動者の血を途絶えさせる(一族の暗殺)ためにスレインにあのような事をさせる的な方向かなと思ってましたが違うんですね。


{netabare}


どうやら地球との和平のために建設されたアルドノア炉のナンバーがゼロだったようです…。


{/netabare}


まだまだ思う事はありますが疲れたのでこのくらいで。




唯一の良い点は、戦闘シーンのCGが素晴らしいことぐらいです。


本来ならば視聴はオススメしませんが、1期を見てしまうと見らずにはいられないですよね。

1期が面白かっただけに本当に残念と感じた作品です。

投稿 : 2015/04/01
閲覧 : 253
サンキュー:

15

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