コーすけ さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
「私は目の前で人が死ぬのを見たくないだけ、だから戦争が嫌い」というマリアの主張はストレートでわかりやすかった。その主張は大天使ミカエルに目を付けられ殺されかけようが、修道院に捕まり処刑されそうになろうが一貫して変わることがなかった。そんなマリアの芯の強さが良かった。
描かれていることは人の死や神とはといった哲学的なことで若干難しいかもしれない。でも、そこに面白さがあると思う。特にマリアが捕らわれた後の牢でのマリアとベルナールのやり取りの「何もしない神ならいないのと同じ」というマリアの言葉には深みがあった。
戦争のシーンの描写も良かった。負けた方は勝った方に財産やらを根こそぎ奪われる。結局、戦争に駆り出された下っ端の兵隊たちはそういう「欲」を原動力として戦っているんだな、とそこにリアルさを感じた。
脇を固めるキャラクターもそれぞれ魅力的だった。特にエゼキエルはミカエルの命令でマリアの監視役をしていたはずなのに、マリアと接していくうちに自分はどうしたいのか、何が正しいのかがわからなくなり、苦悩しながらも最後は自分が正しいと信じたことをミカエルにぶつけた場面は「よく言った!」と思った。