ichinana さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ノイタミナのストイックさが好きです。
ヒーロー見参!ヒーロー見参!!ヒーロー見参!!!
今から20年ほど前の松本大洋原作の卓球漫画。
独特なタッチの作画と、お世辞にもメジャーなスポーツとは呼べない卓球が題材。でもかつての日本は世界選手権優勝者を何人も輩出した卓球王国であり、選手は子供たちの憧れでもありました。
現在の世界のトッププレイヤーのほとんどはシェイクハンドのドライブ主戦型ですが、一昔前は色々なプレイスタイルの選手がいました。本作もプレイスタイルと各キャラの個性を掛け合わせることで作品に旨みを出していますね。ペコ(強気)は日本式ペンホルダー×表ラバー×前陣速攻型(自分で決めるタイプ)、スマイル(受け身)はシェイク×裏裏×カットマンスタイル(相手のミスを誘うタイプ)、ドラゴン(繊細)はシェイク×裏裏×ドライブ主戦型(攻防一体の汎用タイプ)。
数年前のルール改正以降、ペコ型は非常に勝ちにくい状況になってしまい、国際大会でもほとんど見かけなくなりました。でもそこはヒーロー。攻めてなんぼです。アニメとはいえペコが勝ち進んてゆく姿に励まされたペンホルダープレイヤーは多いのではないでしょうか。
卓球というスポーツとしての独特な性格と世界観が織り成す、各キャラクターの心理描写が素晴らしい。いや卓球ってやっぱり個人競技じゃないですか。強い選手の知名度ってハンパないんですよ。~高校の~だぜー(ヒソヒソ)みたいな。しかも中高の大会だと前回の県大会ベスト16の選手は地方予選はスーパーシード(SS)枠での出場で、初戦が4回戦だったりしてさらに注目される。ドラゴンがトイレに篭りたくなる気持ちも解ります。
ペコとスマイルの関係の描写は第1話から秀逸。十数年幼馴染をやってると会話って結構少なくなります。でも不思議と安心感がある。男同士の友情の特殊性をよく描いていると思います。
全11話。序盤はテンポが遅いのですが、後半の巻き返しがアツイ。
作画で好みが分かれそうですが、卓球ファンなら見るべし。
そういえば。
おババ。素敵なキャラでした。野沢雅子ってこんな役柄もできるんじゃん。悟空ばっかやってないで、落ち着いた味のあるキャラも演って欲しいものです。
「愛してるぜぇ・・・ペコ」までのシーンはまごうことなき本作随一の名シーンです。