おぬごん さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
これが戦争…ねえ…
細かいことは気にせずに散々こちらの予想を裏切ってくれた、ロボット戦争モノの分割2クール目
物語は1クール目から一気に1年半経過し、主戦場も宇宙へ移ることとなる…
1クール目同様、細かいことは気にせずに毎回楽しませてくれる、エンターテインメント性は流石だった
特にあおきえい監督らしい毎回の引きの上手さや、CGを駆使したバトルの華やかさ、BGMの素晴らしさは大きな魅力
しかし、1クール目のラストであんなことをやっておきながら、2人共生きていたとはね…
「頭を撃たれたけど、片眼潰れただけで済んだぜ!」「胸撃たれたけど、私も植物状態で済んだぜ!」
これじゃ、「戦争モノ」としての質が地に落ちたと言わざるを得ない
まあストーリー上、こうなるのは予想出来ていたけどさ…
で、ラストの展開ですよ
最後2話でいきなり出てきたクルーテオJr.が全て持っていったのも雑すぎるし、
何より、一度は「スレインとの婚約と地球への新王国設立」を発表していた姫様が、
「新たな婚約」「ヴァース帝国の後を継ぐ」「クルーテオJr.と婚約する」「和平を結ぶ」とかいう前言を真っ向から否定するような発言を連発して、なぜ火星側も地球側もそれをすんなり信じて受け入れるのか
いくら変装技術があることが分かっているとはいえ、こんな二重人格を疑われるほどのダブルスタンダードを見せられたら、火星側は混乱の果てに反乱を起こしてもおかしくないし、地球側には聞き入れられずに攻め滅ぼされるのがオチだろうに
あと、あの戦況で姫様がすべきことって、和平の締結じゃなくて降伏じゃないの?
現に戦争後の世界では火星側がアルドノア技術を提供してるわけだし、火星側が得た地球の国土だって、姫様が説得して返却される予定みたいなことが言われてたし
「和平」とか上から目線で言える立場じゃないだろ…と思った
むしろ自分自身を代償に停戦を申し入れたり、もしくは「アルドノアなんてあるから戦争が起きる!」と、起動権のあるレムリナ姫と自分を殺す…くらいの方がよっぽど納得できる
姫様に罪が無いとはいえ、理想論ばかり述べてる姫様の思い通りになってしまったのは釈然としない
バトル面では1クール目よりも派手でぶっ飛んだ能力を持つカタクラフトが登場したが、
超分析能力という鬼に金棒な新戦力を得たイナホの無双展開は相変わらず…というか1期以上に雑に
一応PTSD大尉のトラウマ克服と活躍とかもあったけど…ねぇ
まあそれでも、火星側が考え無しすぎるとはいえ、攻略法はいつもひねりが効いていて面白かっただけ良かった
それが、最大の見せ場であったはずのスレインの予知能力の突破が「予知の意味が無いほど追い込めばいい」という大雑把なもので、挙句機器の故障によりスレイン側から予知能力を捨てる、という中途半端極まりないものに
何が「僕には未来なんてもう必要ない!」だよ!
いい感じの攻略法が思いつかなかったのをカッコつけたセリフで誤魔化してんじゃねーよ!
…総じて、確かに途中途中の展開では魅せてくれたけど、終わってみれば酷い茶番でした