蓬(Yomogi) さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
当初の予想をいい意味でも悪い意味でも大きく裏切った作品。
自分としては3話くらまでシリアスな作品と思っていたのでその後の展開にかなり面食らったが、ある意味徹底していたので妙に納得してしまった。
サンライズのオリジナルなのでカ描写は力が入っている。
特にオートバイのように空を飛翔するメカはずっと待ち焦がれていたので、それを美少女が駆る姿は見ていて満足できた。
しかしその肝心の美少女作画がしばしば崩れていたのは残念だった。
作画パートは息切れ気味が多く、せっかくのデザインがもったいないと感じることが多い。
しかしそれ以前に話の展開に唖然とさせられたのは言うまでもない。
とにかく下品、その一言に尽きる。
最初真面目に見ていただけに「なんか、この作品はもしかすると更生しないかもしれないぞ」と思い始めてから、こちらの見方を一新させる必要があった。
サンライズのシリーズでは顔はいいが性格の悪い主人公ルルーシュという偉大な先輩がおり、ヒロインはそれの女版といったところ。
自分の性格の悪さを一切反省しないきわめて自己中心的な主人公は、突き抜けると清々しい。
どのキャラクターよりも酷い性格なため非常に強い主人効力を発揮しており、物語を牽引する力がとても強く、ジェットコースター型のストーリーをしっかり持たせてくれた。
また華やかさも併せ持つヒロインなの画面映えもする。
とにかくこの作品の煌びやかさはエンターテインメントとして立派に役割を全うしているな、と感じた。
一番しっくり来るのは、この作品は水樹奈々率いる一座のレビューという表現。
歌ありお色気ありアクションありの、娯楽がたっぷり詰まったエンターテインメントショー。
出てくる美少女たちはみんなショーガールなのだ。
下品と眉をひそめるのはこの作品が過剰で露骨なエロ表現があるからなのだが、フレンチカンカンの踊り子が大股開きでラインダンスを踊っているのと同じこと。
真面目に鑑賞しようとするのはこの作品では間違っているのだ。
高尚な理屈はここでは不要。
悪漢は倒され、ヒロインは男をゲットして、気に入らないものはぶっ壊す。
本能のままにその爽快感に一緒に乗ればいい。
基本的に人に薦められた代物ではないが、非王道という意味での実にサンライズらしい、王道な作品だった。