退会済のユーザー さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
パヤオ氏のルパン
物語にはフェイズと呼ばれるものがあります。これは音楽でいえばコードとかそういった音を綺麗にする流れの構図に似たようなものです。本作はパヤオ氏の初監督作でもあり、かなりの評価をされていることから、このフェイズチャートに照らし合わせるとどうなのか、ってな感じのレビューでっす。
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1:日常:始まりからいつものように、ルパンと次元がカジノらしき建物から札束を抱え出てくる。
2:事件:偽札(ゴート札)と分かり&怪しい車を見つけて追う。
※ここでOP曲
3:苦境:車の敵に手こずる&クラリス(姫)を助けるがルパン気絶する。
4:謎:古びた城を見つける。ゴート札と指輪の謎。伯爵とクラリスの関係。
5:決意:伯爵(悪者)に花嫁(クラリス)を頂く予告状を送り付ける。
6:助け:五右衛門参上。(銭形も)役者が揃う。不二子ちゃんが宝のヒントをくれる。
7:転機:指輪を見つけたルパンはクラリスに指輪を返すが、お礼にクラリスから指輪を渡される。
8:試練:しかし伯爵にルパンは監禁される。
9:脱出:指輪とクラリスを奪われるかわりに脱出。(指輪は偽物)
10:契機:昔ゴート札に手を出したルパンは死にかけて、クラリスに助けられた事を思い出す。
11:対決:結婚式の司祭に化けるルパン。指輪とクラリスを救助。
12:排除:指輪の謎を解き、伯爵と対決。時計塔で伯爵死亡。
13:満足:時計塔の謎を解き、カリオストロ城墜ちるも海底神殿のようになる>これが本当の宝&クラリスの♡を盗む
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とまあ、詳しく書くともっとあるのですが簡潔にしてみました。このようにフェイズチャートが整っていると物語にメリハリが生まれ、納得が出来る仕組みになっていると思います。省略しすぎてイマイチ分かりにくいかも知れませんが、そこはご愛嬌でw
上と共に重要になってくるのがTVシリーズだったら1話。映画だったら開始10分のいわゆる引きです。本作で際立つのは引きの中の手法でミスペンスというものがあってそれが秀逸です。ミスペンスはミステリーとサスペンスを足した略語で、ミステリーは謎、サスペンスは緊張感。足してハラハラする謎になるのですが、本作は上の※までの流れがミスペンスになっていて所見としての引きは観ててビビりました。
そんな感じで脚本としてもすごいのですが、何よりも画に感動しました。
ルパンの世界をこれでもっかって位、らしく描いていて、例えば>滅茶苦茶浮かれていたり、飛んだり跳ねたり、車がパンクしてセリフなしでジャンケン修理するのを決めたり、へんなBGMが掛かったりと、
ジブリ作品を観ていて思うことは、未知のキャラクターに命を吹き込んだキャラの存在感。トトロなどを筆頭にもう何と言っていいかって感じですwそれを既存キャラ、ルパン三世に命を吹き込まれたキャラ性、世界観が何よりも本作の魅力だと私は感じました。長文になってしまいましたが、既知感と未見性を絶妙に融合させた作品だと思いまする。
ただこれがルパンのイメージになってしまったのは古きファンの方には罪かもですねw