ichinana さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
大好きだよ。。。。←知ってる・・・・
榊一郎原作ライトノベルのアニメ化。通称すてプリ。
廃棄王女パシフィカと彼女を護衛するカスール姉弟の逃亡の物語。
とにかく第01話から抗えぬ運命に翻弄される、ただただ(戦闘力的に)弱いパシフィカと理屈抜きでパシフィカを護るシャノン、ラクウェル姉弟を見ているだけで私の涙腺ダムはひたすら決壊。
この作品、見ていて何が辛いかというと、シャノン、ラクウェル以外のパシフィカに向ける問答無用の恐怖や敵意。宗教・信仰の恐ろしさをよくあらわしています。15歳の少女がこれほどの悪意に晒されながら生きるって・・・上で弱いと書きましたが、パシフィカはお兄ちゃん子で、甘えん坊で、わがままで、そして芯の強い女の子です。
本作、パシフィカが廃棄王女というだけで、多くのキャラクターの人生に暗い影を落とします。
名前もつけられずに我が子を手放すしかなった王妃。
信託に従い、無垢な赤ん坊を手にかけた騎士団長。
異教集団の傀儡の象徴として廃棄王女に祭り上げられた少女 etc.
しかし彼らを精神的に救う事になるのがパシフィカであるという皮肉。
私たちも私たちの知らない所で子供たちを傷つけ、そして子供たちに救われているのではないかと。。。そんな風に思わせるシーンの連続で、今なお自分の未熟さを痛感します。
また、育ての親と生みの親、それぞれの我が子に対する愛情の形と双方の想いのズレなど、なぜ人が分かり合えないのかを考えさせられる深いシーンが数多く描かれます。
終盤、ストーリー的に失速した感がありましたが、個人的に大変思い入れの強い作品でして、特に前半部はよく見返します。年齢を重ねるごとに思い知らされる大人の理不尽さやエゴ。中二病の叫びはあながち間違ってもいないのではと考えさせられます。
ちなみに。
私はラクウェリストです。
サイレンサーとの戦闘シーン、「やはり滅びますか・・・」には震えました。妹を護るための鋼の意思を持つ、素敵な女性でした。